「えっ?」
「分かってるって言うけど、まったく分かってない。なんで、そうなるんだよ?」
ハレくんは、おこっていた。
「莉子の話を聞いて、どうして晴れにするのを迷うんだよ。空──」
ハレくんの顔が、さらにけわしくなる。
「ただのビビリにもどったな」
「そ、そんなんじゃないよ!」
あわてて、ごかいを解こうとする。ハレくん、なにかカンちがいしてるよ。
「わたしはただ、莉子ちゃんのことが心配で……」
「ちがう。お前は、こわがってるだけだ」
どういうこと? なんで、わたしの話を否定するの?
気持ちを分かってもらえなくて、だんだんイライラしてくる。
「こ、こわがってるのはハレくんじゃないの?」
がまんできなくて、つい言い返した。
「はあ? オレがいつ、こわがったんだよ!」
「ずっとだよ。今までぜったいにお願いをかなえてきたのに、わたしのせいで失敗するのがこわいんだよ。だから、莉子ちゃんの気持ちをかんたんにムシできるんだ……。莉子ちゃんは、わたしのだいじな親友なの! ハレくんたちより、ずっとずっとだいじなの!」
あっ……。あわてて、手で口をふさぐ。
どうしよう。わたし、ひどいこと言っちゃった。つい、ムキになりすぎて……。
ハレくんはなにも言わないで、ただわたしを見ている。ほんとうにそう思ってるのか? って心の声が聞こえた気がした。
わたしだって、こんなケンカしたかったわけじゃないよ。
ケンカするのだって初めて。今までは、だれともしないように気持ちをかくしてきた。
でも、かくすなって教えてもらったから。
わたしが、莉子ちゃんのことを心配する気持ちはかくせない。
だから、素直に「ごめん」って言えないよ……。
「……わたし、帰る」
やっと言えたのは、それだけだった。
くるっと、ハレくんに背中を向ける。そのまま、じぶんの家にむかって走る。
気持ちはぐちゃぐちゃ。もう、どうしたらいいか分からない。
雨にまじって、わたしのなみだも、ポタポタ地面に落ちていったんだ。
第13回へつづく