「なんだ、今さら。空に言われたことなんて、気にするわけないだろ」
あれ? ケロッとしてる!
「ほんと? アメくんから、ハレくんが落ちこんでるって聞いたんだけど」
「アメのやつ……オレが落ちこむわけないだろ。なんたって、晴れの神さまなんだ──」
がらっ!
勢いよく、ふすまが開いた。
「アメメが見つかんないよ~! ……って、いるじゃん!」
「いったい、どういうことだ?」
フウくんもライくんも、ふとんにいるアメくんを見てびっくり。
「そらりんもいるし! あっ、そらりんが見つけて連れてきてくれたの?」
「アメは、空の家に行ってたらしい。まったく、人さわがせなやつだよな」
「なに言ってる。さわがせたのは、ハレだろ」
ライくんが、するどい視線を向ける。
「空とケンカして落ちこんで、さんざん俺たちに八つ当たりして」
「ほんとだよ~。目が覚めたアメメにまで心配かけてさあ。落ちこむくらいなら、さいしょからケンカしなきゃいいじゃん」
「お、落ちこんだ落ちこんだ言うなあ! オレは、落ちこんでない!」
二人に向かって、ハレくんはムキになって言い返す。
なんだか、教室でふざけて言い合ってる友だち同士みたい。
やっぱり、ただの小学生みたいに見えるときがあるよ。
「くくくっ……」
「空も笑うなっ」
「えっ? わたし、今は笑ってないよ?」
「じゃあ、だれが……」
みんなの視線が、アメくんに集まる。
アメくんはふとんで口元をかくしながら、笑いをこらえていた。
「起きてたのかよ!」
「もしかして、ずっと話聞いてたの?!」
「うん、ごめんね。でも二人だけで、ちゃんと話をして、仲直りしてほしかったから」
アメくんは、ゆっくり起き上がる。
わたしとハレくんを交互に見て、ほほ笑んだ。
「すっかり、元にもどったみたいだね」
「アメくん……うん、もうだいじょうぶ! わたし、ぜったい明日を晴れにするから。深沢先ぱいのためにも、真央ちゃんのためにも、莉子ちゃんのためにも、じぶんのためにも。それから──」
フウくん、ライくん、アメくん、順番に顔を見て、さいごにハレくんを見る。
「みんなのためにも、がんばるね!」
はっきり宣言する。にぎったこぶしが熱く感じた。
そっとひらくと、儀式もしていないのに、手のひらには晴れの印が光って浮かんでいた。
「力が、満タンみなぎってる証拠だ。その光が消えないかぎり、空はきっとだいじょうぶ」
ハレくんは、そう力強く言ってくれた。
明日はいよいよ、運動会。
きっと、太陽を浮かべるんだ。みんなが笑顔になれるように。
第14回へつづく