KADOKAWA Group
知る・まなぶ

ブラックホールは吸い込まない!?【『すごすぎる宇宙・天文の図鑑』』試し読み!】


「地球が丸いなら、地球の反対側にいる人はなぜ落ちないの?」 「どうして宇宙人は地球に来ないの?」誰もが一度は考えたことのある“宇宙の大ギモン”に、天文物理学の視点で本気で答えます! 『すごすぎる宇宙・天文の図鑑』から、気になるテーマ5本を特別公開。
驚きとなるほどがつまったページを、さっそくのぞいてみましょう!

※本連載は『宇宙と物理のしくみがわかる! すごすぎる宇宙・天文の図鑑』から一部抜粋して構成された記事です。


<星と銀河>ブラックホールは吸い込まない!?

 超新星爆発後に残る星の核が太陽質量の約3倍を超えると、中性子縮退圧でも支えきれず、重力崩壊は続き、ブラックホールになります。星の核は全て事象の地平線の中に消え(P76)、その質量は時空の歪みに刻み込まれるのです。

 ブラックホールは物を吸い込む、というイメージがあるようですが、これはうそです。例えば、太陽が同質量のブラックホールに変わったとしても、太陽系の惑星軌道は1ミリも変わりません。

 このブラックホールの周りを私が自由落下しながら少しずつ近づくと仮定します(宇宙服着用)。時空の歪みが大きくなっていくので、頭と足の場所の重力差から体が引っ張られ始めます。そしておよそ1200㎞まで近づくと、体は真っ二つに引き裂かれるでしょう。もっと近づけばもっと細かく引き裂かれますが、「私」はずっと回り続けます。このブラックホールの入り口、事象の地平線3㎞付近に近づかなければ吸い込まれることはないのです。



  豆知識  

太陽は小質量星なので、ブラックホールにはなりません。太陽質量の約25倍以上の恒星しかブラックホールを作れず、数百倍太陽質量を超えると超新星爆発なしに直接ブラックホールになるかもしれません。

 

読めば読むほど、「宇宙」がぐっと近くなる!

今回紹介した5つのテーマ以外にも、「タイムトラベルはできるの?」「太陽の色って何色?」「宇宙はどうやって終わるの?」といった、最新科学が解き明かそうとしている数々の宇宙のナゾが、この図鑑にはぎゅっと詰まっています。
目には見えないナゾを、科学はどうやって解いていくのか――そのワクワクを、ぜひ本書で体験してください!


  • 【書籍情報】


著者: 天文物理学者BossB

定価
1,485円(本体1,350円+税)
発売日
サイズ
四六判
ISBN
9784046068781

紙の本を買う

電子書籍を買う


この記事をシェアする

ページトップへ戻る