
君たちはできるだけ頭を低くして地面にふせた。木のえだや、時折大きい石が飛んできて冷やあせが止まらない。たつまきや突風におそわれた際には、くぼ地やみぞにふせてやりすごすのがよいと聞いたことがある。木や建物に近よると落下物があって危険だということだ。
ようやく風がおさまってきた。周りに注意しながら森の中へ入ると、なんだかギャッギャッとさわがしい。木の上を見上げると、地震で落ち着きをなくしたサルにかこまれていた。
「何だあれ? サル…? にしては体がでかいぞ!?」
体長は大人の女性くらいありそうだ。サルの仲間のようだが、ずんぐりしている。
様子を見ていると、いきなり大きな鳴き声を上げた。オオオオ!とのどをふるわせ出したほえ声は、まるで人間のさけび声だ。
「メガラダピスだわ! 1000年前に絶滅したといわれているけど、生き残っている説もあったのよね…」
シェリーがアナライザーをかかげてそのサル――メガラダピスを観察していると、メガラダピスの一頭がさっとシェリーの持つアナライザーをうばい取った。
「あ! 返して!」
「あのサル、何するんだ!」
シェリーとジェイクがアナライザーを取り返そうとすると、メガラダピスたちは仲間うちでアナライザーを投げ合い、オッホッホ!とイヤミっぽく声を出す。からかっているんだ!