
ヒースヘンのケースに足をかける君の後ろで、シェリーがアナライザーを使って情報をチェックしている。
「かつてアメリカの東部に生息していた鳥ね。イギリスからの移民に狩りつくされて、保護活動が行われたけれど結局、森林火災や大寒波で絶滅。そのはくせいはオスよ」
顔の横にぴんと立ったトサカと気のうを強調してはくせいにしてある。大きさは40センチくらいと小型で――当然ケースも小さめだった。君の体重にたえきれず、パリッと音がしたあとガシャン!とわれてゆかに破片が散らばった。

「あ~あ!」
ジェイクが大げさに肩をすくめて声を上げた。われてしまったものは仕方ない。幸い無傷だったヒースヘンのはくせいをケースの横に置いて、君は次に何をするか考える。