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知る・まなぶ

どっちが強い!? 記憶の島 第3話-17


「ソフィー…あの海獣のこと、知っているんだよね? くわしいことを話してくれない?」
 いつまでも海をながめるソフィーに君は語りかけた。ソフィーがながめる先の海面に、またさっきの海獣――ステラーカイギュウが顔を出す。ソフィーはふう…と何かを決意するように一呼吸置き、君たちに向き直った。
「私のママ…クレアっていうの。ママの仕事は、絶滅したり、絶滅しそうな生物のサンプルを集めて保管することだった。はくせいや植物の種とかね。でもその施設では秘密裏に、絶滅種の生き残りを飼育して、わずかな数だけれど繁殖させていたらしいの。ママはステラーカイギュウ――名前はミーティアっていうらしいんだけれど、その子の担当でポポを送る時に写真も入れてくれた」
 そういってソフィーはジャケットのポケットから一枚の写真を取り出してみんなに見せた。そこには海面から顔を出すステラーカイギュウのそばにソフィーの母親のクレアと、まだ今より小さいポポのすがたがならんで写っていた。クレアがならぶことで、となりのステラーカイギュウの巨大さが伝わってくる。この頭の大きさだと、全長8メートルはありそうだ。
「ステラーカイギュウは寒い海にくらしていたけれど、人間が狩りつくしてしまい、発見からわずか27年で絶滅したそうよ。とても優しい仲間思いの性格だったらしいわ」
 シェリーがアナライザーでチェックして教えてくれた。
「この島が絶滅種を管理する、ソフィーのママのいた施設なのか?」
「いいえ。ママは悪い人たちにだまされて、この島から脱出できないんだって! その人たちの目をぬすんで、私にポポと手紙を送ってくれたのよ」
「この島は悪者に管理されている?」
 君たちの間に緊張が走った。ミーティアがゆらゆらとこちらをながめている。ゆるやかなカーブをえがく海辺を歩くと、ミーティアもついてきた。しばらく一緒に進んでいくと、やがて木々がうっそうとした森が現れた。
「サバナの草原と森、反対側には海…本当にふしぎな場所よね」
 シェリーがいまだに信じられないといった様子でつぶやいた。
 悪者に管理されているのならば、この島自体が大きな人工物なのか? 君は首をひねる。
 さて、この先どう行動しようか? ミーティアとこのまま海のほとりを歩いて行くのもいいが、新しく開けた森のエリアも気になる。

▶森を探索する
▶海辺を進む


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