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【結果発表!】ヨメルバ賞は5作品! お話を作ってみよう!「三題噺」大募集!!


短い募集期間にも関わらず、応募数は113件!たくさんの作品をご応募いただき、ありがとうございました!
その中から、ヨメルバ担当者が選んだ「ヨメルバ賞」5作品が決定!選評とともにご紹介します。

三題噺とは?

「三題噺」とは、その名の通り、3つのお題からなる物語。
もともとは、落語の形態の一つで、寄席で演じる際に観客に適当な言葉・題目を出させ、そうして出された題目3つを折り込んで即興で演じる落語である。
現代では、落語のみならず、漫才やトーク番組などでも応用されて用いられている。

今回のお題

卒業式
絵本
こうばん

上記3つのキーワードを使った、6〜13歳の児童を読者と想定したお話を書いてください。
日常、冒険、ファンタジー、恋愛、学園、SF、ミステリー、ホラーなど、ジャンルは不問です。
文字数:500~800字

ヨメルバ賞受賞作品

ペンネーム ぽき さん
(11歳女性)の作品

「ずっと友達だよ!」
そう言って大きな木の下に私たちの宝物の絵本を埋めたのは、2年前の、小学校の卒業式の話だった。

もう信じられない、結花のことなんて。そう思って、私は、結花との思い出のものを、ゴミ袋に詰めていく。もうないかな、と棚をあさっていると金色の鍵が出てきた。2年前、埋めた絵本の入った宝箱の鍵の片方。箱、どうなってるかな?見に行ってみようかな。結花との思い出のものは、これで最後だし。そう思って立ち上がると、私はあの木の下までかけていった。

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 選 評 
文章のリズム、言葉の使い方にセンスを感じます。短い中で伝えたいことがギュッと凝縮されていて、きれいにまとまっている作品でした。この日の約束が、きっと一生の宝物になるのでしょう。

 


 

ペンネーム 支織つづり さん
(13歳女性)の作品

『不思議な交番』

 幼稚園時代に、戻りたい。何度そう思っただろう。
 卒業式の日の午後。私は一人、ベッドに寝転がる。
 私には、湊(そう)ちゃんという幼馴染の男子がいる。幼稚園の頃、よく絵本を読んであげていた。
「リコちゃん、これよんで!」
「また~? もう五かいめだよ」
 それは、ミオという女の子が、失くしたぬいぐるみを探す物語。ミオちゃんは、思い出たちが届く『不思議な交番』にたどり着くんだ。

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 選 評 
文字数が限られているなか、3つのお題を盛り込みつつも登場人物ふたりの描写は自然で、とてもさわやかな物語でした。読了後も心地よい余韻に浸らせてもらいました。

 


 

ペンネーム 西出あや さん
(42歳女性)の作品

『今日、卒業します。』

 小学校に入学して一ヶ月後、わたしはハツコイをした。
 相手は――。
「おはよう! おっ、その恰好ってことは今日卒業式か」
「はい。えっと……六年間お世話になりました」
 いつもと変わらぬ明るい笑顔の結城さんの目の前で立ち止まると、両足をきちんとそろえ、ペコリと頭をさげる。
 結城さんは、小学校の登下校のときに、いつも交番の前に立ってわたしたちの安全を見守ってくれていたお巡りさん。

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 選 評 
甘酸っぱいなぁ。6年間ずっとヤキモチだなんて…キュンとしてしまいました。たった一つのセリフに想いが詰まっていますね。これからの二人が気になります。

 


 

ペンネーム はなぶさ よ さん
(49歳男性)の作品

 ――その絵本、どうしたの?

~~逃げ出した卒業~~
「卒業さんがどこかへいっちゃった」と、女の子が交番へやってきた。
「卒業さんがいないと、中学生になれないの。卒業さんをさがしてください」
 この町の平和を守る警察官として、困っている子供を見過ごすワケにはいかない。
 とにかくまずは聞き込みだ。

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 選 評 
卒業式の日の出来事を描いた作品が多い中で、「卒業」という概念がなくなってしまうという展開、そしてそれを絵本の内容として描くという、意外性と説得力が面白いなと思いました。「卒業」というものを上手く捉え、明るい気持ちにさせてくれる作品でした。

 


 

ペンネーム 山中ちえ さん
(39歳女性)の作品

『予告状』

“今夜、美しい絵をいただく”。
森田小学校の六年生に初めて予告状が届いたのは10月だ。誰もがイタズラだと思った。しかし予告は現実となった。図工の達人・山中風子の絵がなくなった。
11月は“賢者の書をいただく”という予告状が届いたあと、秀才・鈴木千秋のノートがなくなった。12月は“スイーツをいただく”という予告状とともに、給食のデザートが盗まれた。生徒はがっかりし、教師は交番に通報したが、事件は解決しなかった。

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 選 評 
「卒業」を涙や別れではなく、“未来への希望に溢れたわくわく感”と捉え、そのわくわく感を「自分たちを“宝”と言い切るような子供たちの大作戦」として表現してくださいました。卒業間近にだけある、寂しさと期待が入り混じる独特で複雑な感情が、読んでいて思い起こされました。この大作戦を文字数制限なしで読んでみたいです。

 


 

 総 評 
1か月半という、短い応募期間にも関わらず、応募総数113作品と、たいへんたくさんの方々にご参加いただきました。
「卒業式」「絵本」「こうばん」という3つのお題の中で、特に「こうばん」の使い方がポイントになったかと思います。
あえてひらがなで「こうばん」としたことで、おまわりさんのいる「交番」や、野球選手などに使われる「降板」、演劇に使われる「香盤」など、幅広い使い方が可能で、その結果「恋の話」や「ちょっと泣ける話」「ホラー」「ミステリー」などなど、応募作品もバリエーション豊かなものになりました。
素晴らしい作品が多く、時間を忘れて楽しく読ませていただいたのですが、今回はその中から絞りに絞って5作品をヨメルバ賞とさせていただきました。もっともっとたくさんの方の作品をご紹介したく、第2回も企画したいと思っておりますので、その際には皆さんふるってご参加ください。ありがとうございました!

 

賞品の発送について

今回ヨメルバ賞に選ばれた5作品には、賞品として図書カードNEXTネットギフト5000円分を、また、ご参加いただいた方の中から抽選で20名様に図書カードNEXTネットギフト500円分を進呈いたします。
賞品の発送はメールにてお送りいたします(4月下旬予定)。
※状況に応じて発送時期が変更になる場合があります。


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