
その時、また後ろから足音が近づいてきた。今度は一頭だけじゃない。君はふり返って「あっ!」とさけんだ。
森からさまざまな動物たちが走り出てきた。動物たちは重機にへばりつくと、力を合わせて重機をおし出した。
「みんな、タスケル、アリガトウ!」
ターゼンがニカッとわらって、また「それー!」と重機をおす。君もシェリーもソフィーも力をこめた。重機は片側の地面にめりこんだ。それ以上は動きそうにない。
「このすきにみんなでにげたほうが…」
君が言った時、重機のボディに大きなかげが落ちた。重機のアームのかげか?
「いや、これって…」
君たちはふり向いて、そして言葉を失った。そこにいたのは、ジャイアントモア…ではない、巨大な走鳥類――。
「エピオルニスだ!」

ジェイクがこうふんしてさけんだ。エピオルニスは、体重が800kg以上と言われる史上最重の巨大鳥だ。いかれるエピオルニスは少し下がると、木の幹のような太い足でとどめのキックを重機にくらわせた!
ズドン!! 今まで聞いたことのないような重くひびく破壊音。操縦席のディエゴが真っ青になって何かさけんでいるが、マイクが入っていないらしい。重機はとどめのいちげきにたえられず、ぐらぁっ…とくぼみのほうへかたむいた。
操縦席のまどをたたいているディエゴのすがたが、くぼみの底へ向かって小さくなっていった。
「あ。ディエゴ、まどを開いて出られたみたいよ。悪運が強いわね」
シェリーがその光景を見下ろし、冷ややかに言った。
「よくあんなはげしい落ち方しているのに出られたな」
ジェイクも言葉を続けて、急に緊張がぬけてププッと笑った。
ドゴオオオン!!

「!?」
笑ったのもつかの間、一瞬赤い光に照らされて、おくれて爆風が――。
「重機が中央塔につっこんだ!」
君は目を丸くした。塔にぶつかったあと、はげしくもえ上がっている。たしかあれは地熱発電所…。
「あそこが爆発したらヤバイんじゃ!?」
ジェイクがことの重大さに気づいた。
「でも、そうかんたんには、こわれないんじゃないかな…」
シェリーがおずおずと言ったその時、細かな地ひびきが始まり、やがて島に異変が――。