
『まほうのわくわくおにぎり』が2023年7月20日に発売となりました。
今までイラストレシピをTwitterで公開するたびに、大人気のまいのおやつさん。レシピ本はすでに2冊出版されたことがありましたが、絵本は今回がはじめて。
前編で大好評だった『まほうのわくわくおにぎり』ができるまでの制作秘話の【後編】をお届けしたいと思います!
▶前編はこちらから
ストーリーを考える
こんにちは。まいのおやつです。
このページを読んでいただき、ありがとうございます!
ここでは絵本づくりのきっかけやこの本ができるまでをお話していきたいと思います。
お店の詳細と同時にストーリーを考えました。
▼初期に描いたざっくりとしたラフです


イラストと本文を決めると同時に、世界観にリアリティーを持たせられるよう、絵本に登場する道具や小物の素材を決めていきました。
例えば、おにぎりをのせるお盆は吸湿性に優れている桐でできたものにする、ご飯を混ぜるボウルはステンレス製、しゃもじは宮島のものにする等。
おにぎりの完成ページでは「へんしん」と「とくちょう」の項目を入れました。
「へんしん」・・・おにぎりのアレンジを絵本で見て、実際に試してお楽しみいただけると嬉しいです!
「とくちょう」・・・「本当にざくざく星三つだね」と食感や感情などを話し合い、共感しあいながら食べることでより楽しんでいただけるかもしれません!
ピーマンやおにぎり等、キャラクターの顔は特に悩み、何度も案を描きました!
ここでクイズです!
Q.絵本に実際に描いたピーマンはどの下描きをモデルにしているでしょうか?

正解はCです!
ピーマンが苦手だった2歳の息子と小1の姪に「どのピーマンだったら一番食べてみたくなる?」と質問してみたところ、二人ともCのピーマンを選んだのでこの子をモデルにしました!
心優しく、食べてもらえなくて少し拗ねつつ悲しんでいるピーマンです。

絵本の原画ができるまで
イラストはすべて絵本と同じ大きさで、画用紙に描きました。
使用したのは色鉛筆とグレーと黒のボールペンです。

一番最初に書いたのはお店のページです。
鉛筆で薄く下描きして、少しずつ描き進めていきました。1日平均8時間制作をし、このページは丸3日かかったのでちょうど24時間くらいで完成しました。
このページには、ミニチュア好きの私のこだわりをたっぷり詰め込みました。

豆本等のミニチュアが大好きなのですが、ミニュアの魅力は「小さいけれど大きいものと同じクオリティ」であったり、特に文字の書かれたものなどは「小さいけれど読める」というところにあると思っています!
そんなミニチュアの魅力も詰め込めるよう、一つ一つの看板をより精巧にリアルに描くようこだわっています。特に「いつものおにぎり」の看板のおにぎり名は、しっかり読めるようボールペンでドキドキしながら慎重に書き込みました!
どのページも見開き16〜24時間かかるのが基本ですが、特に時間がかかったページがあります。
一つ目は、おにぎり屋さんが開店して、お客さんが来る場面です。

お客さんは親族にモデルになってもらい、何枚も写真を撮らせてもらって参考にしながら描きました。お客さんを描くのに2日、おにぎり一つ一つを描き込むのに2日、お盆や壁の着色に1日、合計5日で42時間かけて制作しました。
色とりどりのおにぎりを描くのが楽しく、私がこの絵本で一番気に入っているページです!
最も時間がかかったのは、冷蔵庫のページです。計7日、55時間かけて完成させました。


ここにもピーマンが!ドキドキしながら待っています。
一つ一つの食品を「色鮮やかに」「よりおいしそうに」とこだわって描くことで多くの時間はかかってしまったのですが、息子もこのページを特に気に入ってくれたのでとても嬉しかったです!
絵本の制作にはかなり時間がかかりましたが、描くのが本当に楽しくて、私自身毎日わくわくしながら進めていました。2〜3ヶ月での制作でしたが、これまでの人生で一番頑張った期間だったかもしれません!
その絵本をたくさんの方が手に取ってくださり、あたたかいお言葉をかけていただけるのが日々嬉しくて、感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも『まほうのわくわくおにぎり』が多くの方と出会えますように。