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「今日はどうだった?」の続きを膨らませるには? 『個性を伸ばす絵本対話 ダイアロジック・リーディング』ためし読み

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子どもとの「対話」って、どうすればいいんだろう? 「わかんない」「別に」で会話が終わってしまったり、子どもの考えていることがうまく引き出せなかったり……。そんな日々のちょっとした悩みから、子どもの「考える力」「伝える力」を育むヒントを探ります。絵本をきっかけに、親子の対話をもっと豊かにする「ダイアロジック・リーディング」の世界を、一緒にのぞいてみましょう。

連載第1回は、OFFER1「子どもの『わかんない』を探ってみよう」の中から、「『今日はどうだった?』の続きを膨らませるには?」を紹介します。

※本連載は『個性を伸ばす絵本対話 ダイアロジック・リーディング』から一部抜粋して構成された記事です。

「今日はどうだった?」の続きを膨らませるには?

「今日はどうだった?」
 保育園や幼稚園、学校から帰ってきた子どもに、そう問いかけたことはありませんか。

たいていそこで返ってくるのは―
「楽しかった!」
以上。

会話は一瞬で終わってしまい、親としては物足りなさを感じてしまう。 

 さらに、他に何か感想を聞いたり、「どう思った?」などと話を深めようとしても、
「わかんない」
「おもしろかった」
で終了。

 もう少し具体的な話が聞きたいのに、子どもからそれが返らずもどかしさを感じている方、「そのうちこうなっちゃうのかな……」とヒヤヒヤしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「話したくないのかな」
「何を考えているんだろう」
 そんなふうに、胸の奥でもやっとした瞬間があったり、不安がよぎったりすることもありますよね。
「うちの子、文章力がない?」
「言語力が足りない?」
「どうしたらもっと会話が広がる?」
 子どもとの「対話の実践」に難しさを感じる保護者は少なくないようです。

 そのもやもやについて、私も相談を受けることがよくあります。

 ここで少し立ち止まってみましょう。
 保護者のみなさんも、こんな経験はありませんか。

  • 友人の悩み相談にどう返すべきかわからず、モヤモヤしてしまった。
  • 会議で意見を出そうとしたが、うまく説明できる気がせず言うのをやめてしまった。
  • パートナーとの会話で、本音を言えずにやり過ごしてしまった。

 大人でさえ、“伝える”ことは簡単ではありませんよね。
 誰にでもありそうなこの展開ですが、実は、子どもの「楽しかった、以上!」も“同じ構造”なのです。

 頭の中にあることを冷静に整理するにはエネルギーが必要ですし、相手の反応だって気になるものです。
 ましてや、気持ちを正直に伝えるには勇気がいるし、照れや遠慮もついて回ります。

 そう考えると、まだ語彙も経験も少ない子どもが「伝えるって難しい」と感じるのは、むしろ自然なことのように思います。
 特に子どもは大人以上に自分の考えを言葉にする機会が少ないものです。それでは、「伝える力」を育むにはどうしたらよいでしょうか。まずは子どもとの会話やコミュニケーションにおける心構えからお伝えします。

①子どもとの会話はテストにならなくて大丈夫

 子どもが言葉を探しているときに、「こうじゃない?」と、保護者が先回りしていませんか。正解探しが続くと、子どもは自分の考えを出すより、間違えないことや、気に入られることを優先しがちになってしまいます。正解探しよりも「どう思った?」「どこが気になった?」など、感じたことを自由に語れる余白を作りましょう。

②子どもの「沈黙」や「ズレた答え」にナイスアシストを

 子どもが「わかんない」と黙っても、話が少し横道にそれても、それは頭の中で言葉を探している途中かもしれません。その“間(ま)”は、子どもの考える時間です。急かさず「それが気になったのか!」と一緒に関心を向けてみましょう。否定されない安心があるだけで、次の一言は出やすくなります。

③「親だから」と完璧にならなくていい

 考えてみると、きちんと対話を学んだ大人も少ないのではないでしょうか。静かに聞き、正しく答えることを習ってこられた方が、子どもとの「問いかけながら考えを深める関わり」に戸惑いがあっても無理はありません。完璧じゃなくて大丈夫です。

 まずは目の前のコミュニケーションを楽しむ気持ちにリセットしましょう。

 身体的・精神的・社会的に良好な状態をwell-being といいます。相手との対話が楽しくはずむのもその一つです。

 子どもにとって実はとても興味があることや、せっかく本人から生まれた興味や関心も、身近な誰かが興味を示すかどうかで大きく花開くこともあれば、そのままどこかに流れて消えていってしまうこともあります。

「正解を知っているだけの学び」「みんなと一緒の意見」「結果を競うだけの知識や技術」は、やがてAI に代替されてしまうでしょう。

 だからこそ、「なぜそう思うのか?」「他にも考え方があるかも?」と、自分の問いや考えを対話の中で深めていくことが大切になっていきます。

対話は一生もののwell-being エクササイズともいえます。
 しかも、家族や仲間との気軽なやり取りで続けることができます。
 周りを気にすることなく、安心できる相手と、自分の問いや気持ち、考えをシェアする素敵な習慣です。

 そこから常識を打ち破るアイデアや、新しい視点が生まれるかもしれません。

 子どもにどう問いかければ「今日どうだった?」の続きが生まれるのか。多くの保護者にとって悩ましいテーマを次回からひもといていきます。まずは、なぜ子どもが「わかんない」と答えてしまうのか、その背景を一緒に見ていきましょう。

今日の一冊から、親子の対話を

子どもとの何気ないやり取りには、子どもの考える力や、自分の気持ちを言葉にする力を育てるヒントがたくさんあります。大切なのは、答えを教えることではなく、「子どもの言葉を受け止め、対話を楽しむこと」。

絵本は、親子で同じものを見ながら、自然に言葉を交わせるきっかけになります。特別な準備をしなくても、今日の一冊から始められます。

本書では、実際の絵本を例に、どんな声かけをすれば対話が広がるのか、親子のやり取りを具体的に紹介しています。まずは紹介されている声かけをマネするだけで大丈夫。

絵本をきっかけに生まれる、親子の“対話”を楽しんでみませんか?



【書籍情報】


著者: 安田 莉子

【定価】
1,980円(本体1,800円+税)
【発売日】
【サイズ】
四六判
【ISBN】
9784048115612

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