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ものがたり

大人気の新シリーズ2巻め!「お天気係におねがい!(2) 霧につつまれた林間学校」先行ためし読み連載 第5回

 わたしたちの班は、順調にスタンプカードをうめていく。

 三希ちゃんも花桜梨ちゃんも、クイズを解くために、自然と言葉を交わせるようになってきていいかんじ。

 半分以上のスタンプを集めて、こんどはお花ドームにやって来た。

「――サルビアとバーベナ、マリーゴールドとジニア。まちがえやすい花として有名ですが、みなさんには、本物のサルビアとマリーゴールドを、このお花ドームで見つけて、写真を撮ってきてもらいます。よく似たお花とまちがえないように、気をつけてね」

 先生は、二台のデジタルカメラをわたしてくれる。

「二人ずつ分かれようぜ。おれは、サルビアのほうが見つけやすい」

「あたしも。柴、いっしょに行こう」

 花桜梨ちゃんが柴くんをさそったから、わたしと三希ちゃんがペアになる。

 二人で、マリーゴールド系の花が咲いているエリアに向かった。

「うわ~、どの色もかわいい。いっぱい咲いているけど、がんばって見つけようね」

 三希ちゃんに声をかける。でも三希ちゃんは、しょんぼりした顔で、だまってお花を見つめているだけ。

 そのかなしそうな姿が、フウくんとライくんと重なる。

 わたしはたまらず、口をひらいた。

「三希ちゃん、聞いてもいいかな。どうして、花桜梨ちゃんと話さなくなったの……?」

「へっ? あっ、それは……」

 三希ちゃんが、口をもごもごさせる。

「あっ、ごめん。ムリに教えてくれなくても、だいじょうぶだから」

「べ、べつにいいけど。ちょっと、だれかに聞いてほしかったし……」

 三希ちゃんはむねに手を当てて、長めに息を吐く。

「まずうちが、花桜梨のだいじなものをこわしちゃって……」

「そうなんだ。じゃあ、そのことで、花桜梨ちゃんがおこってるの?」

「それが分かんなくて、ケンカになったの」

 三希ちゃんは、ちょっとだけ、ほおをふくらませる。

「花桜梨はさいしょ、気にしないでって笑ってたの。でも、態度がどんどんそっけなくなって。うちが、おこってるんだったらはっきり言ってよって言ったら、花桜梨は、おこってない、しつこいって言い返したの。それにうちが、しつこいのはそっちじゃんって言い返しちゃって……。そんなふうに言い合いしてたら、こんなことになったの」

 うーん、ますますフウくんとライくんに似てる。あの二人は言い合いはしてないけど。

「うちはただ、花桜梨がどう思ってるか知りたくて。ちゃんと話して、仲直りしたいんだけど」

「それならだいじょうぶだよ。花桜梨ちゃんもそう思ってるよ」

「そうかな。さっき、すぐに柴くんとペア組んで、うちをさけた気がしたけど……」

「そんなことないよ。クイズをしている間に、二人ともけっこう話せてる気がする。マリーゴールドを見つけて正解したら、もっと話せると思うよっ」

 わたしは、全力ではげました。

 三希ちゃんはちょっと考えたあと、うんってうなずいた。

「じゃあ、うちら、がんばらなくちゃだね」

 わたしたちは、一生けん命に本物のマリーゴールドをさがした。そのうち、これじゃないかなっていうのが見つかって、写真を撮る。

 先生のところにもどる途中で、柴くんたちと出くわした。

「天川たちも、見つかった? 先生のとこ行くまでに、見せ合おうぜ」

 おたがい、撮った写真を見せ合う。

 花桜梨ちゃんが、わたしたちの写真を見て、「あれ?」って首をかしげた。

「これ、ちがうよ。マリーゴールドって、もっと葉っぱがギザギザしてるんじゃなかった?」

 あっ、ほんとうだ。本物だと思ったんだけどなあ。

「でも、先生に見せる前でよかった。ねっ、三希ちゃ……」

「なんで、花桜梨に言われなくちゃいけないの? べつに、花とかくわしくないくせに」

 あ、あれ? 三希ちゃん? なんでそんな、ムキになって……。

「うちと天川さん、一生けん命さがしたのに……」

「それは分かってるよ。でも、クイズに正解しなくちゃ意味ないでしょ」

「だから、言い方! なんでそんな、そっけない言い方するの?」

 えっ、えっ? ついさっきまで、仲直りできそうなかんじだったのに。

「もういい。やっぱり、花桜梨とはむり。一回ケンカしたら、もう終わりだから!」

 三希ちゃんが、くるっと反対の方向を向く。

「気分悪いから帰る!」

「え! で、でもまだ……」

「……あたしも、頭痛くなってきた。ちょっと休んでくる」

「花桜梨ちゃんも⁈ まって、二人とも……」

 仲直りするはずが、二人ともいなくなっちゃった。あわわわ~!

「おいおい! どうするんだよ、これ」

 柴くんも、すっかりこまってる。

「お、追いかけよう! わたしは三希ちゃんを、柴くんは花桜梨ちゃんを……」

「空!」

 ハレくんが、こっちに向かって走ってくるのが見えた。

「ハレくん、どうし……」

「はやく、こっちに来い!」

 ぎゅっと手をつかんで、引っ張られる。

「ふえっ⁈ なに急に?」

「おい、太陽! 天川をどこに連れて行く気だよ?」

「柴か。お前には関係ない」

「関係あるわ! 同じ班で、ただでさえみんなバラバラなんだよっ」

「こっちは、命にかかわる問題なんだよ。じゃあーな!」

「いや、まって! ハレくん……」

「お前もつべこべ言うな。行くぞ!」

 こんなの、ほぼ誘拐だよ~! わ、わたしの班が~~!


第6回へつづく(1月6日10時に公開予定♪)


書籍情報


作: あさつじ みか 絵: しそこんぶ

定価
858円(本体780円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046324009

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