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注目の最新シリーズ「お天気係におねがい! 運動会を晴れにせよ!」先行ためし読み連載 第1回

わくわくいっぱい、つばさ文庫の新シリーズ! 超~優柔不断で自分になかなか自信がもてない5年生の女の子、天川空がある日突然、天気をあやつるチカラを手にいれた!? 勇気も自信もなかったけど、つよい意思で天気をあやつるために、はじめて自分で目標をたてて、やるって決めた! 個性豊かなお天気男子たちといっしょに、運動会を晴れにせよ!(公開期限:2025年9月30日(火)23:59まで)





 

1★青天のへきれき?

「――空」

 小学二年生になったばかりの春。

 すっきりした青空、あたたかい風、なにもかもがカンペキな晴れの日。

 おばあちゃんは、流れる白い雲を見ながら、わたしの名前を呼んだ。

「空って名前はね、こんなふうにきれいな空の日に生まれたから、そう名づけられたんだよ」

 天川空。

 それが、わたしのフルネーム。好きだけど、理由を聞いたのは初めてだった。

「空が生まれる日はきれいな晴れにしてくださいって、天気の神さまにお願いしたおかげだね」

「へえ。やっぱり、おばあちゃんはスゴいね。お天気の神さまと、お話できるんだ」

 おばあちゃんが、お天気神社の神主さんだからかな?

「空だって、いつか、お天気の神さまと話せる日が来るよ」

「えー? そんなスゴいことできないよ。わたし、うまくお話できないもん」

 わたしはいつも、どうしようどうしよう? ってなやんでばかりで、ぐずぐずしちゃう。

 だから、お話をするのもおそくて、「もっとはやく!」っておこられることも。

「だいじょうぶだよ。きっと、空も、おばあちゃんのようになれるよ」

 おばあちゃんは、はっきり言い切った。

 そうかなあ。だけどもし話せたら、ほんとうにスゴいよね。

 天気の神さまって、どんな姿をしているんだろう――?



 ――三年後。


「だいじょうぶ。ぼくたちは、きみの味方だよ」

 青い髪に、やさしいまなざしの男の子がほほ笑む。

「むずかしく考えなーい、考えなーい」

 みどり色の髪に、はつらつとした男の子がむじゃきに言う。

「俺が、きみを心配して守る。それが役目だから」

 むらさき色の髪に、メガネをかけた男の子がしんけんな目で見つめる。

 そして――。

「オレたち四人の代わりに、今はお前が天気の神さまなんだ」

 赤色の髪に、強いひとみの男の子が、まっすぐわたしを指さす。

「もしも願いをかなえられなかったら――お前は死ぬ」


 ……おばあちゃん、たいへんなことになったよ。

 神さまと話せるどころか、わたしが、天気の神さまになってしまいました……!


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