わくわくいっぱい、つばさ文庫の新シリーズ! 超~優柔不断で自分になかなか自信がもてない5年生の女の子、天川空がある日突然、天気をあやつるチカラを手にいれた!? 勇気も自信もなかったけど、つよい意思で天気をあやつるために、はじめて自分で目標をたてて、やるって決めた! 個性豊かなお天気男子たちといっしょに、運動会を晴れにせよ!(公開期限:2026年8月31日(月)23:59まで)
3★あらわる、お天気の神さまたち⁉
「――なあ。こいつ、いつまで寝てるんだ?」
ぼんやりする頭の中で、声がひびいた。だれの声だろう?
「ムリやり起こそうぜ。オレは、もうまてない」
すぐそばで聞こえるけど、まぶたが重くて目が開けられない……。
「ほんとうに、せっかちだね。ぼくは、反対。ムリやりなんて、かわいそうだよ」
「もっと大きな声で呼べば、起きるんじゃない? おーい、聞こえるー?」
「声の大きさは関係ない。それより、病院に連れて行ったほうがいいかもしれない」
いろんな声が聞こえる。何人いるの? 三人? 四人?
「あっ、そうだ。おれ、寝ちゃってる人を起こす方法を思い出した! 口をくっつけたら、目を覚ますんだよ」
「なんだそれ。そんなヘンな方法で、起きるわけないだろ」
「ほんとうだって~。神社でたおれて寝ちゃった人を、そうやって起こしてたの見たし」
それって、人工呼吸なんじゃないかな? わたし、息はしてるんだけど。
「あー、もう分かんねえ。とりあえず、やってみるか」
がしっと、両肩をつかまれる。
へっ? やるの? でもこのままだと、ただのキスになっちゃうんじゃ……キス⁉
「あわわわっ、それはだめ!」
ゴツン!
勢いよく起き上がったわたしの頭が、だれかのおでこと思いっきりぶつかった。
「う~、いたい……あっ」
声の正体が、やっと分かる。周りにいるのは、四人の小学生くらいの男の子たちだった。
でも、クラスの男の子たちとは雰囲気がちがう。みんな、夜雲さんみたいな和服を着ていて、ちょっと大人っぽい。
それぞれ髪の色もちがう。青い髪の子、みどり色の髪の子、むらさき色の髪の子。
そして――。
「親切で起こそうとしたら、頭突きとは……」
赤い髪の男の子はおでこをおさえながら、こっちをにらんでいる。
ぶつかったのはこの子なんだ。あわわわっ、すごくおこってる!
「ごめんなさい! でも、頭突きをしたかったわけじゃなくて……」
「ったく。お前に力をとられただけでもイライラしてるのに。悪天蝶にも逃げられるし」
「あ、あくてんちょう? それって、なに?」
「鈴にとまっていた、蝶のことだっ」
へえ~、ふしぎな名前。聞いたことない。
「でも、力をとられたっていうのは? わたし、なにもとってない……」
「鈴をこわしただろ」
「そ、それもごかいだよ! とろうとしたんじゃなくて、勝手にはずれちゃったの!」
「あのなあ! 鈴がこわれたせいで、オレたち天気の神の、天気をあやつる力がお前にうつったんだ。とられたも同じだろっ」
「??」
さっきから、赤い髪の子が言ってることがさっぱり!
「て、天気の神さま? わたしが、なに?」
「だーかーら、オレたち四人の代わりに、今はお前が天気の神さまなんだよ!」
ビシッ! まっすぐ、わたしを指さす。