KADOKAWA Group

大人気!「お天気係におねがい! 運動会を晴れにせよ!」ためし読み連載 第3回

「……なんだって?」

「天気を晴れにするためには、熱くなる心がいるんだよね? でもわたし、その気持ちがよく分からないの」

「分からないって……。空は、気持ちが熱くなったことがないのか?」

「たぶん……。あっ、でも。ヒヤッとすることは、今までいっぱいあったよ!」

 ハレくんは、信じられないって顔をしている。わたしは、さらにたずねる。

「熱くなるって、どんなかんじなの?」

「それは、こう……ぐわああってなるかんじだ。オレは、晴れの神さまとして、ぜったいに晴れにしてやるぞって」

「うーん……。ぜんぜん分かんない! どうしよう⁈」

「だいじょうぶ、空ちゃん。今の説明で分かるのは、ハレ本人くらいだから」

 やっと泣き止んだアメくんが、冷静に言う。

「でも、熱くなる気持ちを知るのはだいじだね。深沢先ぱいのためにがんばりたいって気持ちは、やさしさからだし。どうしたらいいかなあ」

「あっ、そうだ!」

 フウくんが、ポンッと手をうつ。

「そらりんもさ、その先ぱいみたいに、運動会の目標を見つけたらいいんじゃないの? それをかなえるためには、運動会を晴れにしなくちゃいけなくなるじゃん」

「なるほどな」ライくんが、メガネを押し上げる。「要は、空オリジナルの『心が熱くなる、運動会の目標』を立てるってことだな」

「フウ、お前さえてるな。じゃあ、空。目標を言え」

「いきなり⁈」

 わたし、運動会は好きじゃない……。体育委員になったのも、じゃんけんで負けちゃったからだし。

 でも、特訓をがんばるって決めたもんね。ちゃんと考えなくちゃ!

「ん~……あっ、分かったよ。クラスのみんなにめいわくかけずに、無事に終わること!」

「はあ? そんな目標で、熱くなれるわけないだろっ」

「だめ? わたしには、すごくだいじな目標なんだけど……」

「ほかにもあるだろ、よく考えろ」

「んー、ころばないようにするとか? みんなの前でころんだら、すっごくはずかしいし」

「そうじゃなくて! 空はどうして、周りの顔色ばっかりうかがうんだよ?」

 聞かれても分かんないよ~。みんなの表情を気にしちゃうのが、くせになってるもの。

「そんな調子じゃあ、心は熱くならない。空自身が熱くなれる目標を、今日中に考えろ」

「今日中⁉ それはムリ……」

「ムリじゃない。これは、心の特訓のさいしょの課題だ。かならずクリアしろ」

 うぅ、時間がなさすぎる。わたし、ちゃんと見つけられるのかな?


第4回へつづく


書籍情報


作: あさつじ みか 絵: しそこんぶ

定価
858円(本体780円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046323736

紙の本を買う

電子書籍を買う

夏休みはつばさ文庫を読もう!




この記事をシェアする

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • LINEでシェアする
ページトップへ戻る