「……なんだって?」
「天気を晴れにするためには、熱くなる心がいるんだよね? でもわたし、その気持ちがよく分からないの」
「分からないって……。空は、気持ちが熱くなったことがないのか?」
「たぶん……。あっ、でも。ヒヤッとすることは、今までいっぱいあったよ!」
ハレくんは、信じられないって顔をしている。わたしは、さらにたずねる。
「熱くなるって、どんなかんじなの?」
「それは、こう……ぐわああってなるかんじだ。オレは、晴れの神さまとして、ぜったいに晴れにしてやるぞって」
「うーん……。ぜんぜん分かんない! どうしよう⁈」
「だいじょうぶ、空ちゃん。今の説明で分かるのは、ハレ本人くらいだから」
やっと泣き止んだアメくんが、冷静に言う。
「でも、熱くなる気持ちを知るのはだいじだね。深沢先ぱいのためにがんばりたいって気持ちは、やさしさからだし。どうしたらいいかなあ」
「あっ、そうだ!」
フウくんが、ポンッと手をうつ。
「そらりんもさ、その先ぱいみたいに、運動会の目標を見つけたらいいんじゃないの? それをかなえるためには、運動会を晴れにしなくちゃいけなくなるじゃん」
「なるほどな」ライくんが、メガネを押し上げる。「要は、空オリジナルの『心が熱くなる、運動会の目標』を立てるってことだな」
「フウ、お前さえてるな。じゃあ、空。目標を言え」
「いきなり⁈」
わたし、運動会は好きじゃない……。体育委員になったのも、じゃんけんで負けちゃったからだし。
でも、特訓をがんばるって決めたもんね。ちゃんと考えなくちゃ!
「ん~……あっ、分かったよ。クラスのみんなにめいわくかけずに、無事に終わること!」
「はあ? そんな目標で、熱くなれるわけないだろっ」
「だめ? わたしには、すごくだいじな目標なんだけど……」
「ほかにもあるだろ、よく考えろ」
「んー、ころばないようにするとか? みんなの前でころんだら、すっごくはずかしいし」
「そうじゃなくて! 空はどうして、周りの顔色ばっかりうかがうんだよ?」
聞かれても分かんないよ~。みんなの表情を気にしちゃうのが、くせになってるもの。
「そんな調子じゃあ、心は熱くならない。空自身が熱くなれる目標を、今日中に考えろ」
「今日中⁉ それはムリ……」
「ムリじゃない。これは、心の特訓のさいしょの課題だ。かならずクリアしろ」
うぅ、時間がなさすぎる。わたし、ちゃんと見つけられるのかな?
第4回へつづく