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大人気!「お天気係におねがい! 運動会を晴れにせよ!」先行ためし読み連載 第15回

「体育委員! こっち、コーン持ってきて!」

「はやくはやく! 平均台、すぐに片づけるよっ」

「は、はあい! 今行きますっ」

 ひぃ~。体育委員のおしごとって、競技に出るよりたいへんかも~!

 開会式のあとからずっと、校庭のあっちこっちを走りまわってる。

 でも、走りながら、土がかわいてきているのが分かるのはうれしい。

 太陽の力って、やっぱりスゴいなあ。

「つづいて、借り人競争をおこないます。出場する生徒は、門に集まってください」

 放送委員のアナウンスが、校庭にひびいた。

「もう?! いそがなくちゃ!」

 べつの体育委員の子にしごとをまかせて、わたしは入場門に走る。

「空!」

 途中で、ハレくんと莉子ちゃんに呼ばれた。

「お前なら、きっと一位になれる」

「空、がんばれ!」

「うん! 莉子ちゃんは、まっててね」

「えっ? それって、どういう……」

「じゃあ、行ってきます!」



「──つぎに、第三レースをはじめます。出場する生徒は、コースにならんでください」

 わたしは一番内側のコース。となりは……。

「あっ、そらりんといっしょだ! やっほ~」

「フウくん! な、なんで?」

「出るはずだった子が、調子わるくなって。おれがかわりに、出ることになったんだよね」

「そんな! フウくん、本物の風みたいに速いのに……」

 あっ、そうだ。かっこ悪いことは、考えない、考えない!

 ほおをたたいて、気合を入れなおす。

「フウくん、手加減しないでね!」

「するわけないじゃん。おれも、かっこよく走りたいからねっ」

 パンッ! スタートの合図が鳴る。

 フウくんは、スタートダッシュから速くて、あっという間に引きはなされる。

 でも、あきらめない。アドバイスのとおり、ちゃんと前を向いて、うでをふって走る。

「天川さん、意外と速くない?」

「一颯には追いつけなさそうだけど、二位いけそうじゃん」

 応えん席から、クラスメイトたちの声が聞こえた。

 今までのわたしだったら、二位でもすごくよろこぶと思う。

 だけど今日は、一位じゃなきゃだめなの。

 お題の紙が落ちている場所に着いて、とっさに足元の紙をひろった。

【丸メガネを持っている人】

 やった! 小さくガッツポーズして、じぶんのクラス席に向かう。

「莉子ちゃん、莉子ちゃん! リュックから、丸いメガネを出して」

 莉子ちゃんはちょっとびっくりする。でもすぐに見つけて、さし出してくれる。

 その手を、わたしはすかさずつかんだ。

「じゃあ、いっしょに走ろう! 莉子ちゃん、丸いメガネ持ってるから」

「えっ。でもこれ、あたしのじゃないし……」

「それは関係ないよっ。わたし、どうしても莉子ちゃんと走りたいの。おねがい、来て!」



「空……。分かったよ、行こう!」

 二人の足を赤いたすきでむすんで、コースにもどる。

 先に、フウくんとペアの大人の男の人が、ゴールに向かって走っていた。

「莉子ちゃん。いっしょに、いち、にって言うよ。せーのっ」

 かけ声に合わせて、右足から出す。

「「いち、にっ。いち、にっ……」」

 二人で声をそろえて、フウくんたちを追いかける。

 だんだん足もそろってきて、スピードがぐんぐんあがる。フウくんたちの背中も、間近に見えてきた。

 ふり返ったフウくんが、目を丸くする。

「うわっ、そらりんじゃん! おれたち、もっとスピードあげるよっ」

「いや、まってきみ! ぼくは、もう……うわっ」

 ペアの男の人がころんで、フウくんもいっしょにたおれちゃった。

 その間にわたしたちが追いこして、トップを走る。油断しないで、かけ声はつづけて。

 そして──。


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