わくわくいっぱい、つばさ文庫の新シリーズ! 超~優柔不断で自分になかなか自信がもてない5年生の女の子、天川空がある日突然、天気をあやつるチカラを手にいれた!? 勇気も自信もなかったけど、つよい意思で天気をあやつるために、はじめて自分で目標をたてて、やるって決めた! 個性豊かなお天気男子たちといっしょに、運動会を晴れにせよ!(公開期限:2026年8月31日(月)23:59まで)
17★あやしい雲行き……?
「──これで、今年の運動会を終わります。みんなのおかげで、最高の運動会になりました! ありがとうございました!」
閉会式の深沢先ぱいのあいさつに、みんなが拍手する。
運動会はさいごまで晴れて、無事に終わった。
応えんに来てくれていたパパやママたちは、カメラをかかえて先に帰っていく。
「じゃあ、ぼくも帰るね」
夜雲さんは、ひときわ大きいカメラをかかえていた。
「夜雲さん、そんな大きなカメラ持ってたの?」
「買ったんだよ。お天気の神さまたちの初運動会を、しっかりおさめるためにね」
夜雲さんは、そう言ってるんるんで帰っていった。
五年生と六年生は片づけがあるから、まだみんな校庭にのこっている。わたしは、ハレくんたちと、カラーコーンやなわを倉庫にもどすおしごとをがんばっていた。
「天川さんっ」
深沢先ぱいが、こっちに走ってきた。
「今日は、ちゃんと晴れにしてくれてありがとうな。おかげで、最高の思い出をつくれたよ」
「そんな。お願いをかなえるのは、神さまとして当然──」
……って、学校では、わたしはただのお天気係だよ!
「わたしは、天気を予報しただけですっ。かなえたのは、お天気神社の神さまなので!」
「そうなんだけど。でも、お礼を言いたくなって」
「それなら、神社にお礼参りをわすれるなよ。神さまは、見てるからな」
いきなり、ハレくんが口をはさんできた。
「食べものは、かならず持っていけ。それもたくさんな。いつも、足りなくなるんだよ」
「そうそう! あとね~、おまんじゅうはあきたからケーキがいいなあ」
フウくんも、目をキラキラさせながら話に入ってくる。
「あっ、シュークリームでもいいかも!」
「二人ともっ。そんなわがまま言っちゃ、だめだよ。先ぱい、気にしないでください!」
「あー……よく分かんないけど、お礼には行くよ。とにかく、ありがとう」
深沢先ぱいはさわやかに笑って、六年生の輪の中にもどって行く。
「空ちゃん。ところで、莉子ちゃんは?」
「ああ、うん。あそこにいるよ」
校庭のまん中で、クラスメイトたちにかこまれているところを指さす。
「莉子ちゃん、ほんとうに速かったね。かっこよかったよ~」
「うん、スゴかった。来年も、ぜったいにリレーに出てね!」
「みんなが、応えんしてくれたおかげだよ。来年も、もしえらばれたらがんばるね」
莉子ちゃんは、みんなにほめられて、ちょっと照れくさそうに笑ってる。
「すっかり、人気者だね。一組の救世主だもんね」
アメくんの言うとおり。リレーのとき、うちのクラスは、スタートでつまずいて出遅れた。でも、莉子ちゃんが二人抜いたおかげで一着でゴールできたんだ。
「莉子ちゃんは、ほんとうにスゴいよ。やっぱり、自慢の親友だよ」
「まあな、莉子はがんばった。でも、一番だいじなことを忘れてるぞ」