わくわくいっぱい、つばさ文庫の新シリーズ! 超~優柔不断で自分になかなか自信がもてない5年生の女の子、天川空がある日突然、天気をあやつるチカラを手にいれた!? 勇気も自信もなかったけど、つよい意思で天気をあやつるために、はじめて自分で目標をたてて、やるって決めた! 個性豊かなお天気男子たちといっしょに、運動会を晴れにせよ!(公開期限:2026年8月31日(月)23:59まで)
9★てるてる坊主が、消えちゃった?
週明けの月曜日。登校すると、昇降口の掲示板の前に人だかりができていた。
「さっそく、注目されてるね。金曜日に、空ちゃんががんばったから」
「アメくんたちが手伝ってくれたおかげだよ。あっ、クラスのみんなもいる。よろこんでくれてるかな~」
「なんで、おれたちのてるてる坊主がないんだよ?!」
とつぜん、柴くんのおこった声が廊下にひびいた。
ぴたっと、わたしの足が止まる。なにが起きてるの?
「あたしのもない! がんばってつくったのに」
「どこにやったんだよ」
「あっ、天川! かざったの、天川だよな」
みんながいっせいに、わたしをふり返った。
「おれたちのは、どこにあるんだよ?」
「なんで、うちのてるてる坊主がないの?」
柴くんや、ほかのみんなが迫ってくる。さっと、ハレくんたちが前に出てくれる。
「ちょっとまてよ。てるてる坊主がないって、どういうことだよ?」
「ぼくたちにも見せて」
人ごみをかきわけて、ようやく掲示板が見られる。
「!」
ほんとうだ。まん中にあるはずの、大きなてるてる坊主がなくなってる。
あっ、莉子ちゃんのもない。ほかにも、ところどころ抜けている。
なんで? わたし、ちゃんとみんなの分をかざったのに……。
「ほら、ないだろ。なんでかざってないんだよ」
「数が多くて、めんどくさくなった?」
「もしかして、こわしちゃったとか? 天川さん、おっちょこちょいなところあるし」
「そっ……」
そんなことしてない。そう言いたいのに声が出ない。こわくて、言い返せない。
だってみんな、わたしが犯人って決めつけてる。言い返しても、信じてもらえない……。
「ちゃんと、ぜんいん分かざったに決まってるだろ。オレたちだって、手伝ったんだぞ」
「空ちゃん、すごくがんばってたよ。みんなのてるてる坊主、きれいにかざりたいって」
ハレくんやアメくんが、かわりに言ってくれる。
「空、もう行くぞ。オレたちのせいじゃないんだし」
ハレくんが、わたしの手をつかんで引っ張る。
そのとき、だれかのひそひそ声が聞こえた。
「失敗しても、かばってもらえるんだね」
「ちょっとずるいよね」
ずるい……。
すごく、はずかしくなった。ハレくんの手をはらって、みんなに向かって頭を下げる。
「あのっ、あのっ……わたしのせいで、ごめんなさい!」
「空……なに言ってるんだよ」
ハレくんは、わけ分からないって顔をしている。わたしの肩をつかんで、ゆさぶる。
「なんであやまるんだよ。なんで──」
「わたしが悪いからっ。それだけだよ!」
くるっと背を向けて、走り出す。
「あ、空! どこに行くんだよ!」
どこに向かってるかなんて、分からない。でもとにかく、一人になりたかった。