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ものがたり

『放課後チェンジ 世界を救う? 最強チーム結成!』スペシャルためし読み 第6回 結成! チーム ㋐


人気上昇中の新シリーズ「放課後チェンジ」が無料で読める! ドキッとしたら動物に変身!?
4人の力を合わせて事件解決!


まなみ、尊(たける)、若葉(わかば)、行成(ゆきなり)は仲良しの4人組。中1のゴールデンウイーク、フシギな指輪を見つけたことで、なんと、動物に変身しちゃった!!!
猫や犬の運動能力、タカの飛ぶ力が使える!
でも……指輪が指から外れない!!!

「放課後チェンジ 第1巻」を、ためし読みしてね!

※これまでのお話はコチラから

 

6 結成! チーム ㋐


 わたしたちみんな、ナゾの犬が消えた空間を見つめて、ボーゼンとしてたけど……

「なんだよ、今の……」

 尊のそんな声で、ハッとわれに返った。

「うん、無我夢中(むがむちゅう)で、いまいちピンときてなかったけど……」

「とんでもない状況だよな……これ……」

 若葉ちゃんと行成もまだ半分ぼうっとしてるけど、だんだん実感がわいてきたみたい。

 同時に、どっと疲れが全身に広がった。やっぱり、変身のあとは、クタクタになる……。

 ――いったい何が起こっているんだろう?

 ナゾの指輪を見つけた帰り道に、透明犬と鬼ごっこ。

 黒い〈もや〉をまとった苦しそうな犬。

 そして、指輪からあふれたピンクの光と、吸いこまれた白い光……。

「そこの木のかげにかくれてるあんたなら、なにか知ってるのか?」

 少しはなれたところに立ってる木に向かって、尊がそう呼びかけた直後。

 ガサガサッと黒い影が、枝の間から飛びだしてきた。何⁉

『気づいておったのか』

 そう言いながら、わたしたちの近くの木の枝に降りたったのは、一羽のフクロウ――

 えっ、フクロウがしゃべってる⁉

「紙ぶくろを追いかけてる途中から、オレたちの後をずっとつけてきてただろ? ニオイで気づいたぜ」

 そうだったんだ……⁉

『封印(ふういん)が解かれたようだから、様子を見にきたんじゃよ。おぬしらが着けているのは、伝説の指輪じゃろう』

 封印? 伝説の指輪??

「封印って、なんの封印ですか?」

 行成が質問すると、フクロウはあきれたように言った。

『なんじゃ……おぬしら、自分たちの着けてる指輪のことを、何も知らんのか』

「知りません。だから、教えてください」

『――おぬしらの指輪は、動物の霊を宿(やど)した指輪。それを身につけたものは、動物に変身したり、動物と話したりできるようになる』

 動物の霊を、宿した指輪⁉

「話したり……って、駅前の猫や、透明犬の吠える声の意味はわからなかったぜ」

 尊が口をはさむと、フクロウは『おそらく』と言いながらわたしの方を見た。

『長い時を経て、伝説の指輪が持つ力の多くは失われた。じゃが、そこの嬢(じょう)ちゃんが悪霊(あくりょう)を昇天(しょうてん)させたことで、霊が持っていた霊力が指輪に吸いこまれて、本来の力が少し復活したんじゃろう』

 昇天……って、天国に行くことだよね。霊力って、あの白い光のこと?

「さっきの透明犬は悪霊で、わたしが天国に行かせてあげたの? それで、あの白い光……霊力を吸いこんだから、指輪に動物と話す能力がもどったってこと?」

『そういうことじゃ』

「……じゃあ、指輪を外す方法は知らねーか? どうやっても外せなくて困ってるんだ」

 尊が聞くと、フクロウは『ほう……』ともともと丸い目をさらに丸くした。

『指輪が外れないという話は初耳だが……もしかするとそれは――』

 青白い月明かりの下で、少し考えてから、フクロウが言う。


『指輪についた、動物の呪(のろ)いかもしれんのう』


 ドクン、と心臓が大きく鳴った。

『指輪に閉じこめられた動物たちが、おぬしらに呪いをかけたのではないか?』

 動物の……猫の、呪い……?



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