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隕石の軌道を変えることはできますか? 宇宙のおしごとQ&A連載 第5回


宇宙に関するおしごとや、宇宙でのくらしについての質問に、宇宙ライターの林さんがお答えします!
この記事では、『未来が楽しみになる 宇宙のおしごと図鑑』(著:林公代)発売記念イベントでよせられた質問と回答を、本の中身をお見せしながら紹介します。


隕石の軌道を変える方法を知りたい
ペンネーム・yoshimi.y



林さん:
すばらしい質問です。yoshimi.yさん、ありがとうございます。
最近、2032年に小惑星が衝突するかもしれないってニュースがすごく話題になっていましたよね。ついこの間、私もJAXAの方にインタビューしたばっかりなんですけれど、急に小惑星が来るようになったわけではなくて、昔から小惑星ってけっこう地球の近くまで来たり衝突したりっていうことが起こっていたんですね。それが、観測技術が発達したので見えるようになったってことなんです。

黒田さん:
そうだったんですね。

林さん:
恐竜が絶滅した原因になったと言われているのは、10㎞ぐらいの大きい天体なんですけど、そういうものはもうほぼすべて観測できるので、当分こないって分かっています。
だけど問題なのは、数十mの大きさの小惑星で、そういうのは100年に一度くらいは衝突するって言われているんですね。 

「ツングースカ爆発」って聞いたことがあるかもしれないですけども、1908年だったかな。数十mの天体がシベリア上空で爆発して、その衝撃で東京都と同じぐらいの面積の森林がなぎ倒されちゃったっていうことがあります。

黒田さん:
ものすごく大規模ですね。

林さん:
あと、「チェリャビンスクの隕石」っていうのが、2013年だったかな、あったと思うんですけど、あれは17mなんですね。それでも1500人くらい負傷者が出たと報道がありました。
 1907年と2017年だから、100年に一回くらいはそういう衝突が起こると考えられますね。だけどそのJAXAの先生が言うには、昔といまが違うのは、対策ができるっていうことなんです。

黒田さん:
すごい進歩!

林さん:
予測ができる。だけど、数十mくらいだと直前にしかわからないっていうのが問題なんですね。最近ニュースになったものは2032年なので、今から7年後だから、まだ早く発見できた方なんですけれども。
これからどんどん「軌道」っていって、小惑星がどういう道を通ってどこら辺をかすめそうかとか、どこら辺に落ちそうかっていうのが、観測でわかってきます。そうすると、時間がある場合には小惑星に探査機から何かをぶつけて軌道を変えることができます。時間があんまりない場合には、その衝突するエリアにいるであろう人たちに避難を促します。



こういうことができるようになったのが現代の技術ということで、宇宙に行けば地上から観測するよりももっと早く観測ができるようになるので、実際2028年頃にNASAが専門の望遠鏡を打ち上げる予定です。宇宙から地球に近づいてくる小惑星を観測して、軌道を変えた方がいいとか、どこに衝突するであろうっていうような「軌道を決定する」のはものすごく大事な仕事になってくると思います。すごくすばらしい質問だと思います。

黒田さん:
そうですね。ありがとうございます!


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イベントの様子を動画でお届け!

たくさんの質問が飛び出した『未来が楽しみになる 宇宙のおしごと図鑑』の発売記念イベントの様子は、YouTubeチャンネル「KADOKAWA児童図書チャンネル」でご覧いただけます。ぜひお楽しみください♪

 

▼14:00~の回


 

▼16:00~の回



書誌情報


著者: 林 公代

定価
1,650円(本体1,500円+税)
発売日
サイズ
四六判
ISBN
9784041138397

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