
宇宙に関するおしごとや、宇宙でのくらしについての質問に、宇宙ライターの林さんがお答えします!
この記事では、『未来が楽しみになる 宇宙のおしごと図鑑』(著:林公代)発売記念イベントでよせられた質問と回答を、本の中身をお見せしながら紹介します。
宇宙で体調が悪くなった時にはどうするのか知りたいです
ニックネーム・ぱる さん

林さん:
質問、ありがとうございます。
宇宙飛行士の宇宙飛行が決まると、「フライトサージャン」っていう専属のお医者さんがひとりつくことになっています。このフライトサージャンの役目は、宇宙に行ってから地球に帰ってくるまで、ずっと健康に過ごせるように体調を管理してあげるということなんです。
一番良いのは、宇宙飛行士の具合が悪くなる前に予防すること。「あ、疲れてるな」と思ったら休憩させてあげるとか、ストレスを発散させてあげるとか、早め早めに対処することがすごく大事なんですね。
でも、そうはいっても体調が悪くなっちゃうこともありますよね。
そういうときのために、国際宇宙ステーションには「メディカルキット」っていう薬や簡単な治療器具が入ったセットが備えられています。
それから、宇宙飛行士は虫歯になったときにはお互いの歯を抜けるように訓練していきます。
黒田さん:
えー!
林さん:
あとは採血や、かんたんな縫合はできるように訓練していくので、たいていのことは大丈夫です。
だけどたとえば、盲腸になっちゃったとか、緊急事態があった場合には、地上のお医者さんと連絡を取り合って、国際宇宙ステーションの超音波の検査機器などを使って検査をして、「これは宇宙では対処できないな」となったら地上に帰すことになっています。
ちょっとこわいのは、「尿路結石」。おしっこの通り道に石が溜まって「いたい いたい」となってしまう病気です。
重力の小さな宇宙空間で暮らすと、骨が弱くなりカルシムが溶け出して尿路結石のリスクが高まることが心配されています。ロシアの宇宙飛行士が「いたたたた」ってなったことがあると聞きます。その時は大事に至りませんでしたが、最悪の場合には地球に帰して治療することも検討されたそうです。
黒田さん:
宇宙ステーションにはAEDもあるんですよね?
林さん:
そうなんですよね。
黒田さん:
地上と違うのは、受ける側も処置をする側も体を固定する必要があるんですよね。
林さん:
固定しないとお互いに浮かんじゃう。
黒田さん:
バーンと飛んでいってしまうんですね。
林さん:
お互いに浮かんじゃうので、力をかけると自分が跳ね返ってしまう。工夫が必要なところですね。
第2回に続く
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