
「友達をつくるのが苦手」「将来がなんとなく不安」「なんにもやる気が起きない」……。この本はそんな悩みで「いっぱいいっぱい」になっている中学生・高校生のための「毎日のお守り」です。「学校生活」「親」「友達」「自分」の4つのカテゴリーの悩みに寄り添う内容で、解決のヒントが見つかる1冊です。
※本連載は『いっぱいいっぱいの自分から脱出する方法 今を生きる10代のための40のヒント』から一部抜粋して構成された記事です。一部写真は本には掲載されていません。
友達が少ないのは恥ずかしいこと?
友達の数で人の優劣が決まることは絶対にない
まず結論からお伝えしますが、友達が少ないことは、全く恥ずかしいことではありません。寂しいことでも、みじめなことでもありません。
友達の数で人の優劣が決まるなんてことも絶対にありません。
皆さんの近くに、こんな人はいませんか。
味方にしてもメリットはないのですが、敵にすると非常に厄介な人です。
人の悪口を言うことによって、人気を獲得するのを得意とする人が、その典型例として挙げられます。
こういう人は、下手に敵に回して悪口のターゲットにされてしまうくらいなら、内心ではイヤイヤであっても、表面的には仲が良いフリをしておいた方が得策です。
こういう人って、心が通い合うような本当の友達はいないのですが、上っ面だけの友達はたくさんいます。
こういう人の方が、よっぽど恥ずかしいし、寂しいし、みじめだと思います。
友達が一人もいないと辛い
ただ、友達が一人もいないことは辛いことです。
もし、友達が一人もいない、または友達が極端に少なくて悩んでいるのなら、よいアイデアがあります。
友達というと同級生または歳の近い人を想定しがちですが、その年齢制限を撤廃してしまいましょう。
ちなみに私は同世代の友達もいますが、昔から、はるかに年上(十~三十歳も年上)の友達もいました。
もっと言えば、人間限定でなくてもいいかもしれません。犬や猫などのペットと心を交わすことだって可能です。
孤独と上手に付き合っている人の中には、こういうふうに動物との交流や友情を心の拠り所にしている人もたくさんいます。
友達を作るために本来の自分を押し殺してまでも周囲に迎合して、極度の自己嫌悪に陥ってしまったり、精神的に病んでしまったりするくらいなら、動物との交流の方が、はるかに健全だと私は思います。
そうは言っても、リアルな人とのつながりが一番の理想です。
もしあなたの体調やその他の理由で外に出ることが困難である場合、ネットやリモートでのつながりもありだと思います。
でも、外に出ることが可能であるのなら、自分なりのペースで、少しでもいいので、リアルなつながりを持てる友達を見つけるための行動を起こした方がいいと思います。

画像提供:PIXTA
第三の居場所(サードプレイス)
私たちには三つの「居場所」が必要だと言われています。
第一の居場所である「ファーストプレイス」は、自宅です。第二の居場所となる「セカンドプレイス」は、学校になります。
自宅や学校に居心地の悪さを感じている人もいるはずです。
だから、第三の居場所となる「サードプレイス」が必要なのです。
このサードプレイスが、年齢制限のない友達と知り合える場所になります。
具体的には、同じ趣味を持った、幅広い年代の人たちが集まる場です。
私は和太鼓が趣味だったのですが、幸運にも地域の和太鼓同好会のような集まりがあって、そこに参加していました。
前述のはるか年上(十~三十歳も年上)の友達も、ここで知り合った人たちです。
体を動かす、いわゆるスポーツ系でもいいですし、読書会や絵画教室のような文化系でもいいです。何も制限はありません。
あまり深く考えず、自分の心の赴く場所に、ふら~っとでいいので、まずは参加してみませんか。
そこでの偶然の出会いが、一生涯続くような強い絆に発展するケースがあります。
※ただし、見ず知らずの大人との交流にはリスクもあります。十分に注意し、不安を感じることがあれば連絡や交流をやめて、すぐに親や先生に相談しましょう。
まとめ
▶ 友達が少なくても、恥ずかしくもないしみじめでもない。
▶ もし友達を増やしたいのなら、年齢制限を撤廃してみよう。
▶ 自宅・学校以外の「サードプレイス」を持とう。
書誌情報
著者: 内田 和俊
- 【定価】
- 1,540円(本体1,400円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 四六判
- 【ISBN】
- 9784046072399