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さく・え クラナガさんインタビュー『ちいさなきょうりゅう』ができるまで


今も恐竜が暮らす「白亜町」では、恐竜の赤ちゃんと優しい人々が仲良く暮らしています。白亜町の様子を描いた人気コミック『恐竜はじめました』から、初の絵本『ちいさなきょうりゅう』が発売されました!  
本作は恐竜の赤ちゃん“バブちゃん”の一日を描いたもので、ページのあちこちに小さな恐竜が見え隠れする楽しい絵本。
さく・えを手掛けたクラナガさんにお話を聞きました。

恐竜の赤ちゃん“バブちゃん”の一日を描きたい!

クラナガ:『恐竜はじめました』の絵本を作ることが決まったとき、すでにバブちゃんの一日を描こうと決めていました。というのも、読者さまから「バブちゃんの暮らしを絵本で読みたい!」というお声をいただくことが多く、いつか形にできたら嬉しいなぁなんて思っていたからです。まさか、こんなに早く描くことになるとは思いませんでしたが、おかげさまで物語もスムーズに作れました。
できるだけ身近でシンプルに、小さなお子さまでも分かりやすい言葉や場面を選びながら考えました。


バブちゃんが朝起きるところから物語は始まります。


こだわったのはもちもちほっぺ。線も試行錯誤して描きました。

クラナガ:絵本を作る上で最も悩んだのは、線の描き方についてです。描き慣れた普段のタッチではなんだかしっくりこず、力加減を変えて同じ絵を何度も描いたりしました。中でもバブちゃんの輪郭は、単純なようで一番時間をかけた部分です。手足やほっぺたなど、やわらかくも、しっかり弾力のある質感をイメージしながら描きました。



 


線は納得するまで何度も描きなおし、バブちゃんの輪郭は手触りを想像しながら着色。


大人になって立場が変わっても、何度も振り返って読んでほしい。

クラナガ:本作の見どころは、読む人によって楽しみ方が変わるところだと思います。
『恐竜はじめました』読者の皆さまは倉田になったつもりで。お子さまは「ここにいた!」「どれが好き?」と会話しながら。お父さんやお母さんは、もしかするとバブが自分の子どもに見えてくるかもしれません。なんでもないバブの一日を通して自分はどう感じたか、読み終えてから振り返ってみていただけると嬉しいです。また、各ページに必ず登場する小さなあの子にも、ぜひ注目してみてください。
※倉田…コミック『恐竜はじめました』に登場するひとり暮らし社会人。
『ちいさなきょうりゅう』の主人公であるバブちゃんと暮らす。


各ページに必ず登場する小さな“あの子”にも注目!


大好きな絵本は『ふたりはともだち』シリーズ。

クラナガ:影響を受けた絵本は、『ふたりはともだち』シリーズです。がまくんとかえるくん、ユーモアと思いやりの詰まったふたりのやりとりに、心がじんわりとあたためられます。中でも『ふたりはいっしょ』に入っている、クッキーのお話が好きでした。がまくんお手製のクッキーをふたりで食べ始めたら止まらなくなってしまい、このままではいけないと箱に入れたり棚に乗せたりして“いしりょく”を高めようとするお話です。いしりょくとは「意志力」のことですが、私にも必要だなぁ…とよく思います。
もちろん絵も大好き。ふたりのなんともいえない表情が本当に可愛くて、挿絵ひとつひとつをじっくり見たくなります。2歳の娘もお気に入りです。


最初はこんなカバー案もありました。クラナガさんの娘さんの意見も参考にして、最終的にバブちゃんだけのシンプルなデザインになりました。


書籍情報


さく・え: クラナガ

定価
1,540円(本体1,400円+税)
発売日
サイズ
B5変形判
ISBN
9784046827203

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