
君が行動を起こそうとした、その時、ひときわ大きな地震が起こった! もみ合っていた君もディエゴも体勢をくずす。ほかのみんなも地面に手をついて動けなくなっている。ディエゴは何も言葉を発さず銃をかまえたまま後ずさっていき、すがたを消した。どこか近くにかくしてあったと思われる船のエンジン音が聞こえてきた。
「ディエゴが…にげた」
君はどうしたらいいか分からなくなって、つぶやいた。この島の動物たちを見すててディエゴはいなくなった。見はなされたこの島は、島に生きる絶滅種は、この後どうなってしまうのか――。
その時地震で不安定になっていた地面がミシミシと音を立てた。
「ヘリポートが…!」
君は言葉を失った。ゴゴゴゴ…足もとからひびく地鳴り。なんと、ヘリポートの周りにヒビが入り、地ひびきを立てて島と切りはなされ出したのだ!
「ママ!」
「クレア! クレア!」
ソフィーとポポがクレアを見つけ、声を上げた。さけた地面の向こう岸からクレアがこちらを見ている。決意をひめた表情だった。
「これは、いたずらに生き物の生命をもてあそんだ、私へのばつなのよ、ソフィー。じきにこの人工島はしずむ。ママはこの島の生き物たちと運命をともにするの――」
「そんな…! ママ! こっちに来て! すぐにXベンチャー調査隊の人が助けに来るって…」
「ソフィー、ゆるして――」
ものすごい音を立ててヘリポートは島からはなれていく。クレアの声の最後のほうは音にかき消されてしまった。クレアが島の奥へと、歩いていくのが見える。同時に島のあらゆるところから熱い蒸気がふき出して空を白くにごらせた。あの熱気の中ではどんな生き物も生きてはいけないだろう。
ヘリポートはギリギリのところで海へしずむのが止まった。でも島にはもどれない。救助を待つ間、君たちはむねがしめつけられる思いだった。
ソフィーはいつまでもクレアの消えた方向を見つめ、泣いていた。
いつまでも――。
ゲームオーバー