KADOKAWA Group
知る・まなぶ

どっちが強い!? 記憶の島 第5話-10


 相変わらず地震と蒸気の噴出が続いていて、心が落ち着かない。道をもどっている最中にディエゴやディエゴの部下たちとはち合わせてしまうのでは――と心配したが、彼らのすがたを見ることはなかった。
 やがて居住区ドームの白い建物が見えてきた。手前で動物たちから降りて、ドームの中をさがす。室内にクレアは見当たらない。ポポがスイーッと、まどの外に向かって飛んでいったので、後を追ってテラスに出ると、
「…ママ!」
 ソフィーがクレアを見つけてうれしそうな声を上げた。君たちがそちらを見ると、クレアはテラスのはしで海をながめている。肩にはポポ。クレアの視線の先にはステラーカイギュウのミーティアたちが見えた。
「ママ! 早くここからにげよう!」
 ソフィーはクレアの手を取った。クレアはソフィーをやさしい目で見つめ、それからもう一度海のほうを見た。

▶次へ進む
 


この記事をシェアする

ページトップへ戻る