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海岸のほうまで行けばルイスたちをよんで脱出できるかもしれない。地震は続き、くずれ落ちてくる岩場の土砂に気を配りながら急いでかけぬけた。度重なる蒸気のふき出しに、悲鳴を上げるメンバーたち。溶岩はまじっていなくても、それはまさに噴煙のごとく高くふき上がり、そのつど白いけむりが空をおおった。
塔が岩山のかげにかくれて見えなくなったころ、ターゼンがくしゃみを連発した。
「ブルッ…さむい。おかしい」
たしかに急に寒くなった。さっきまで蒸気の熱であせをかいていたのに――こんな気候、今まで感じなかった。
「発電塔がこわれて環境を制御するシステムが暴走しているんじゃない!?」
シェリーがソフィーとくっつきながら、ふるえ声で言った。ポポはすでにソフィーのジャケットにもぐりこんでいる。
「このままでは…まさか氷河期みたいに動物たちは…」
君は歯をガチガチと鳴らしながら島の未来を想像した。とにかくこの寒さをどうにかせねば!