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君たちは岩場のほうへ進んだ。草原にいきなりドスンと置かれたように岩がいくつかよりそうようにならんでいる。どこかで見たような光景だな…と君は思った。そうだ、熱帯魚なんかの水そうの中に置かれている石のオブジェだ。…だれかが意図的に配置したかのように思えた。
ガサッっと背後で音がした。岩場の周りは少し高さのある草でかこまれている。それがふまれた音だった――。
(まさか、さっきの巨大鳥か!?)
湿原の川辺でそうぐうした、あの見上げるほど大きな鳥のすがたを思い出して君はゾッとする。ふりむくとやはり大きな鳥がいた。しかし今度はよく知っているサイズの鳥だ。
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「ダチョウだ!」
君はダチョウと間を取ってアナライザーをかざした。やはり普通のダチョウでなんとなくほっとする。ダチョウは急に現れた君たちにおこっている様子で羽をふくらましている。アナライザーをかざしたことで余計警戒したみたいだ。サッとアナライザーをしまって次の行動を考えた。
「ダチョウは足の力がすごいから気をつけて!」
シェリーが君に言った。何があってもあのケリをくらわないようにしなくては。