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「ターゼン! あのチーターとは話し合えないの!?」
君はターゼンが動物と会話ができることを思い出した。しかしターゼンは乗り気ではないらしい。
そこで「やれやれ」とジェイクがポケットから小さめの包みを取り出した。
「ほら! ターゼン、とっておきのエナジーバーだぞ! ナッツとカカオが通常の1.5倍、腹持ちは5倍だ!!」
「!! おいら、くう、やる!!」
最後まで言い終わらないうちに、ターゼンはおかしのパッケージをすばやく開けて口の中におしこんだ。バリバリとかみくだきながら、チーターの前へと飛び出していた。びっくりしたチーターとターゼンは少し間隔をおき、丈の低い草地を小さな輪をえがくようにグルグル回り出す。ターゼンは時折チーターに何か話しかけているが、チーターは聞く耳を持たないようだった。
「追いつかれるんじゃ…」
君は不安になった。しかしチーターは足は速いがスタミナがない。やがて先に力つき、ターゼンのことはあきらめて去って行った。
「やったな! ターゼン!」
「おいら、やる、すごい!」
君やジェイクにほめられて、むねを張るターゼン。
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「おかしがなかったらどうなってたのかしら…」
シェリーのつぶやきが聞こえて、君は冷や汗をかいた。