
君はライトを点灯した。明かりをたよりに野営の準備をする。まず、なるべく乾燥した木の枝を集めて火を起こした。
「火をたやさないために順番に寝ることにしよう」
君が提案すると、
「じゃ! まずは言い出しっぺからよろしく~~~ぐう」
すごい速さでジェイクがねむりだした。ターゼンなんてその前から寝ている。
「…アンタたち、朝になったら覚えてなさいよ!」
なかばあきれ気味にシェリーが言うのを聞いてソフィーが笑った。ようやく安心できる時間ができたのだ。
しばらく三人で希望の色のようなオレンジ色のたき火を見つめていた。その色にそまったソフィーの顔を見る。この子は何の目的でこの島に来たかったのだろうか?
「ねえソフィー、ポポをちょっと見せてくれる?」
シェリーの問いかけに、ソフィーは少し考えてから、ジャケットのファスナーを下ろした。するとポポ――きれいな三色の鳥――が胸元から顔をのぞかせた。
すると、
「ポポ、カワイイ?」
と、ポポがしゃべった。君はおどろいたが、シェリーが笑って「かわいいよ。おしゃべり上手なのね」と返事した。
「今まで緊張してしゃべれなかったみたい。いつもはおしゃべりなインコなの」
ソフィーがポポのくちばしの下をなでながら教えてくれた。その様子をながめていたシェリーが、しずかにたずねた。
「やっぱり…アナライザーでは見てないけど、その子、もしかしてカロライナインコ? …カロライナインコって、たしか絶滅したはずだけど――」
君はおどろいた。ポポが絶滅種のカロライナインコだって? でもポポは今ここにいる。
ソフィーの顔色がこわばったが、やがて落ち着いた表情へと変わって、少しずつ身の上を話してくれた。