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「私のママは、絶滅危惧種を保護する施設で働いていたんだけど行方不明になったの。でもある日ポポが私のところに届けられた。ポポが言ったの『ソフィー、ママイキテル、アイシテル』って! ママは生きてた! ポポはおどろくほど色々記憶していて、この島の話もしてくれたのよ」
「それで、あなたのママがこの島にいるって?」
「それは分からない…。でもこの島だけがママの手がかりなの」
その施設では、絶滅種のはくせいも保管していたそうだ。でもポポみたいに、絶滅したと思われているけど実は生き残っている種もいるということだろうか?
君の中で「絶滅種」という言葉が何か引っかかった。さっきのトラももしかしたら本当にジャワトラだったのかもしれない。そういえば島に上陸する手前で見たあの海中の影…ソフィーは何かつぶやいていたけど、あれはなんと言っていたかな――。
色々考えている最中に寝てしまったらしい。気がつくとあたりに朝日がうっすらと差し始めていた。シェリーたちは君を起こさずにブランケットをかけてくれたみたいだ。ありがたかった。
朝になり、みんな空腹で目が覚めたようだ。バックパックの中にいくつか非常時用の食料がある。
「こっち、ある! フルーツたくさん!」
まわりをウロウロと探索していたターゼンが、果物のなっている木を発見してもどってきた。行ってみると、おどろいたことにさまざまな果実――見たところ、バナナやパパイヤのような実もある――の木がならんで実をつけている!
「なんか変じゃない? こんなうまいぐあいに食べられそうなフルーツの木が生えているのって…」
シェリーは警戒している。とはいえみんなのおなかがグウっと鳴った。