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【スペシャル連載】第10回 「誰も、どんな理由であれ困らない『仕組み』を作る」――東日本大震災をかんがえる本『世界はとつぜん変わってしまう?』


これまで「あたりまえ」だと思っていた毎日は、ある日とつぜんなくなってしまうかもしれない? それはたとえば、災害によってかもしれませんし、別の理由によってかもしれません。
十一年前にここ・日本で起こったとても大きな地震、東日本大震災を知ることで、あなたも「世界がとつぜん変わってしまう」かもしれないことについて、ちょっとかんがえてみませんか?

第3期は、子どもの貧困についての研究をしている阿部彩さんに質問をした内容を一部抜粋の形で紹介します。
コロナ禍の支援についても、前回のように考えることができるようです。さっそく話を聞いてみましょう。


 

Q.今はやっぱりコロナの問題も大変なのですか?

A.仕事がなくなってしまったり、たいへんな思いをしている人がたくさんいます。そういう人は、ガスや水道などの公共料金が払えなくても止められたりしないようにと、国から各事業者に要請が出されました。
 でも、普段でも払えない人はいます。だいたい全子どもの3パーセントがそういう家庭で暮らしていると言われています。100人のうち3人ってものすごく多いですよね。たとえば電気がなかったら、エアコンも扇風機もつけられないから、命に関わりますよね。
「包摂的」な社会を作るということは、誰も、どんな理由であれ、電気がないというようなことがおこらない、そういう仕組みをちゃんと作ってるということなのです。


 

Q.そういう社会を変えたいという思いで研究に取り組んでいるのですね?

A.社会政策や貧困問題を研究している人は、貧困問題をなんとかしたいからやっています。私もそうです。(『世界はとつぜん変わってしまう?』書籍)1章の雁部さんは、被災者の方々に実際に会って話を聴くなどの「心の声を集める研究」をしていると話していましたよね。
 みんな自分の信念で、自分のやり方で声を上げればいい。ジャーナリストや記者、ボランティア……それぞれ役割があります。私は私ができることをやっています。

この回答をしてくれたのは…

阿部彩さん
「貧困」や「社会保障」をテーマに研究活動を続けています。2008年には『子どもの貧困――日本の不公平を考える』(岩波書店)を出版。日本の子どもの貧困問題について、さまざまなデータをもとにわかりやすく解説しています。


明日は小学生のみなさんが日ごろからできることについて話を伺います。いっしょに考えてみましょう。

本の中ではさらにくわしく

災害を前に「自分も何かしたい!」と思ったとき、なにができる? 貧困の問題と震災やコロナの問題はどう関わっている? くわしくは『世界はとつぜん変わってしまう?』第三章で取り上げています。


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