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【スペシャル連載】第6回 「ただ、だれかに話を聴いてもらいたい」――東日本大震災をかんがえる本『世界はとつぜん変わってしまう?』


これまで「あたりまえ」だと思っていた毎日は、ある日とつぜんなくなってしまうかもしれない? それはたとえば、災害によってかもしれませんし、別の理由によってかもしれません。
十一年前にここ・日本で起こったとても大きな地震、東日本大震災を知ることで、あなたも「世界がとつぜん変わってしまう」かもしれないことについて、ちょっとかんがえてみませんか?

第2期は、子どもたちからの電話相談を受ける活動をしている、チャイルドラインみやぎ代表理事・小林純子さんに質問をした内容を一部抜粋の形で紹介します。
震災前も後も、多いのは「学校へ行きたいけど行けない」という電話のようです。くわしく話を聞いてみましょう。


 

Q.地震が起こる前と後では、かかってくる電話の内容はかわってきましたか?

A.震災の前も、震災後も、そして今も、多いのは「学校へ行きたいけど行けない」という電話です。友だちにいじめられている、先生に話したけど対応してもらえない、少し休んだら授業についていけなくなった、など理由はさまざまです。話をきいていると「学校へ行けなくなると自分の人生は終わり」のように考えている子が多いなあ、と感じます。
 電話をしてくる子たちは、何をしてもらいたいわけでもないけれど、ただ聴いてもらいたい。わかってもらいたい。そういう気持ちだと思います。
 だれかに話を聴いてもらいたい、と思うのは普通のこと。大人でも、家でケンカをしたり、職場でいやなことがあったりしたら、誰かに聴いてほしいな、と思うでしょう。そのときに「あなたの考え方はまちがっている」なんて言われたら「こんな人に話さなきゃよかった!」とがっかりしてしまいますよね。
 大人ですらそうなのですから、チャイルドラインに電話をかけてくる子どもたちだって、ただ聴いてほしいだけの子が多いと思うのです。
 そんな子どもたちに私は『信頼して電話をかけてくれてありがとう』と伝えたいです。

この回答をしてくれたのは…

小林純子さん
特定非営利活動法人チャイルドラインみやぎの代表理事をつとめています。書籍では、実際に小林さんたちが見聞きした避難所の様子、「遊び場」設置の経緯、チャイルドラインにかかってきた電話の内容について話をきいています。


明日は、いま現在、コロナ禍でかかってくる電話はどんなものなのかについてさらに話を伺います。

本の中ではさらにくわしく

実際にチャイルドラインにはどんな電話相談がかかってきたのか、震災後の避難所での生活はどのような様子だったのか、くわしくは『世界はとつぜん変わってしまう?』第二章で取り上げています。


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