人気大ばくはつ!つばさ文庫の新シリーズ2巻めが1月7日(水)に発売予定! ひとあし先にためし読みしちゃおう☆ 超~優柔不断で自分になかなか自信がもてない5年生の女の子、天川空がある日突然、天気をあやつるチカラを手にいれた!? 天気の神さまの代わりに、お天気神社にきた天気の願いを叶えるしごとをはじめたけど――肝心の願い事を聞き逃しちゃった! 明日からの林間学校、このままだと神さま失格で地獄行き!?(公開期限:2026年3月31日(火)23:59まで)
4★地獄行きの林間学校?
外に出て、フウくんとライくんは社務所に。わたしとハレくんとアメくんは、おさいせん箱の裏でお留守番。
いつものお留守番グループで分かれちゃったけど、わたしはそわそわ。
フウくんとライくん、いまごろ、すごく気まずい思いをしているよね……。
「わたし、二人の様子を見てくる。さっきのこと、気にしてるみたいだったから」
「行かなくていいよ、空ちゃん」
立ち上がる前に、アメくんに止められた。
「なにもなかったことにして。それが二人の、心の誓いを守るためのルールだから」
初めて聞く話に、わたしは目を丸くする。
「なにそれ? 心の誓いって? どんなことを誓ったの?」
アメくんは言うつもりがなかったみたいで、ちょっとだけこまったような顔をする。
「えっと……。心の誓いは、天気を守るための誓いなんだ。ハレは、ぜったいにあきらめない心を持つこと。ぼくは、すべての人にやさしさを忘れない心を持つこと。フウは、いつもたのしい心を持つこと。ライは、つねに冷静な心を持つこと。みんな、天気の神さまになる儀式のときに誓ったんだ」
神さまになるにも、儀式があるんだ。たいへんそう~。
わたしはしてないけど、だいじょうぶなのかな? いや、今はそれよりも。
「フウくんとライくんだけ、ルールがあるの?」
「じぶんたちで、つくったんだよ。二人が誓いを守るためには、ふだんから、心の使いかたに気をつけなくちゃいけないから。フウがたのしくないことを考えれば、ただの風も台風に変わる。ライが冷静さを忘れて感情を爆発させれば、カミナリが落ちる。そうならないよう、ケンカしそうなことがあっても、言い合いをしたり、引きずったりしないで、おたがいの心がめちゃくちゃにならないようにしよう――って」
そっか……。それで太鼓のことも、すぐに解決しようとしたんだ。
「わたし、神さまの誓いとか、ルールとか、ぜんぜん知らなかったから」
「空ちゃんは、知らなくていいんだよ。そんな、こわい話はね」
知らなくていいかあ……。アメくん、気づかってくれてるんだよね。
でも、こわいって言葉がひっかかる。おばあちゃんの手紙に書いてあった「天気の神さまはあぶない」って、もしかして、フウくんとライくんのこと?
むかし、二人になにかあったのかな。
「ねえ、アメくん。まだ聞きたいことがあるんだけど。二人って――うわっ」
いきなり背中が重くなった。
ふり向くと、ハレくんがうでを組んだまま、わたしによりかかっていた。
お、重いよ~。
「ハレ、なにやってるの。はやく空ちゃんから……って、寝てる?」
ほんとうだ! 目をつむって、スースー寝息立ててる!
「ハレくん、起きて! お留守番中だよっ」
「でもめずらしいかも。ハレが居眠りなんて。いつも、すごく……元気なのに……」
アメくんの声もだんだん小さくなって、うとうとし出す。
「……ごめん、空ちゃん。ぼくも、なんだかねむくなって……」
アメくんまで目を閉じて、柱にもたれちゃった。
「どうしちゃったの、二人とも……ふわぁ~」
あれ。わたしも、あくびが出てきて……。
なんだか、目も重たくなってきた。頭もふらふらする。
ハレくんとアメくんと並んで、柱によりかかる。
パンパンッ!
おさいせん箱の前で、手をたたく音が聞こえた。
お客さんが来たんだ。願いごとを聞かなくちゃ……。
「……林間学校……二日目……」
今、りんかんって言った? もしかして、同じ学校の、五年生が来てるのかな。
目は開かないし、声もぼんやりとしか聞こえないから、だれか分からないよ。
「……晴れの……雨の……」
んん? 晴れ? 雨? どっち?
「お願いします……!」
足音が、遠ざかっていく。
まだ行かないでっ。ぜんぜん聞きとれてないの。
追いかけようとした。でも、すごくねむくて、立つことすらできない。
「……まって……」
コテンッ。
わたしたち三人は、そのまま、すっかりねむりこんでしまった。