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大人気の新シリーズ2巻め!「お天気係におねがい!(2) 霧につつまれた林間学校」先行ためし読み連載 第1回

 残されたわたしたちは、びっくり。でもすぐに、みんなで後を追いかけた。

 ライくんは、家の一番奥の部屋に入っていった。その部屋には、わたしが落として粉々になった、例の鈴しかないんだけど……。

「――やっぱりだ。みんなも、見てみろ」

 ライくんは鈴の前でしゃがみ込みながら、わたしたちを手招きする。

「なにかあったの……あっ! 鈴の形がもどってる?!」

 ちょっとだけど、破片がくっついてる!

「今まで、接着剤を使っても、直らなかったのに。どういうこと?」

「たぶんだが……。空が願いをかなえることによって、少しずつ直っていくのかもしれない。そして、鈴が直っていくということは――」

 バチッバチッ!

 ライくんのかかげた左手の中に、小さなカミナリの玉が浮かんでいる。

「俺たちに、力がもどっていくということだ」

「え! じゃあ、おれも?」

 フウくんが、空中で人さし指をくるっと動かす。すると、小さな竜巻が生まれた。

「ほんとうだ! ちょっともどってる! わーい!」

 アメくんは、両手の中に、水の玉がぷかぷか浮かんでいる。ハレくんは、にぎったこぶしがピカピカ光っている。

 たしかにみんな、力がもどってるってかんじに見える。

「じゃあ、このまま願いをかなえつづければ、みんなは神さまにもどれるってこと?」

 ライくんが、うなずく。

 よかったあ~。わたしは、むねの前で手を組んでよろこぶ。

「ただし、悪天蝶が、かんたんにはかなえさせないだろうな」

 あっ、そっか……。悪天蝶は、お天気の神さまにとって、まさに天敵だもんね。

「ねえ。今さらだけど、悪天蝶はどうして、わたしたちのジャマをするの?」

 バタバタしててちゃんと聞けなかったけど、ずーっと気になってたんだよね。

「オレたちも考えたんだけど、分からねーんだよな。あいつらは、地獄の天気を荒らすことだけがしごとのはずなのに」

「どうやって地獄から出てきたのかも、疑問だよ。悪天蝶にはできないと思うんだけど」

 ハレくんもアメくんも、むずかしい顔をしてうなる。

「……俺は、だれかが裏で、悪天蝶をあやつっている――と考えている」

 さらっと、ライくんがおどろくことを言った。

「あやつってる?! だれが?」

「それは、分からない。でも、悪天蝶はいつも、俺たちの動きに合わせて姿をあらわしている。感情や意思のない悪天蝶に、そんな器用な真似はできない。だから、裏にいるだれかが、俺たちを見張りながら、悪天蝶を使ってジャマしているとしか思えないんだ。わざわざ、地獄から悪天蝶を連れ出して……」

 とつぜん始まったこわい話。ピンッと空気が張りつめ――。

「もう、やめやめ~~~!」

 フウくんの大声で、一瞬で空気がやぶられた。

「そういうむずかしい話は、今じゃなくていいじゃん! 鈴は形が直ってきて、おれたちに力がもどってくるのはいいことなんだし。明日からの林間学校の話しよ~よ~!」

 まるで小さい子みたいに、だだをこねる。するとライくんが、

「そうだな。これ以上考えるのは、やめよう」

 まっ先に、賛成した。えっ? いつも、考えすぎるくらい考えるライくんが?

「話し過ぎちゃったね。もう、もどろうか」

「さっさと準備を終わらせようぜ。でなきゃ、まつりも行けないんだろ」

 アメくんとハレくんも賛成する。みんながいいなら、いいけど……。

「そうだ、空。軍手がどこにあるか、知らないか? 林間学校で使うだろ」

 もどる途中、ライくんは思い出したように聞いてきた。

「夜雲の話だと、神社のどこかにあるらしいんだが、見つからなくて」

 軍手かあ。おばあちゃんの部屋にあるかもしれない。おばあちゃん、神社の掃除をするために、いっぱい持ってたんだよね。

「わたし、知ってると思う。みんなの分、とってくるね」

 一人で、おばあちゃんが使っていた部屋に向かう。

 フウくんの言うとおりかも。みんなと行く、初めての林間学校だもんね。今のところ、お願いはちゃんとかなえられてるし。

 むずかしいことは考えないで、たのしんだほうがいいよね!


第2回へつづく(1月2日10時に公開予定♪)


書籍情報


作: あさつじ みか 絵: しそこんぶ

定価
858円(本体780円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046324009

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