人気急上昇 第1位の「放課後チェンジ」。
人気うなぎ登りの第4巻が発売前に59ページもためし読みできちゃう!
この巻から読んでもおもしろい!
女子も男子も大笑い、ドキドキハラハラのお話を今すぐチェック!
まなみ、尊(たける)、若葉(わかば)、行成(ゆきなり)は動物に変身できる!
4人は学校の大イベント、二泊三日の林間学校へ出発!
牧場では若葉がハムスターレースに参加したり、キャンプ場では、おかしなカレーを作ったり、キザ男子の登場、肝試(きもだめ)し、オリエンテーリングなど、大笑いのハプニングが連続!!!
さらには、ゲームの異世界へ……!?
『放課後チェンジ 林間学校で永遠の誓いを!?』
(藤並みなと・作 こよせ・絵)
2月12日発売予定!
※これまでのお話はコチラから
3 ハラハラ! ハムスターレース
小動物ハウスは、小屋の中でウサギやハムスターにエサをあげたり抱(だ)っこしたりできるところ。
ウサギは柵(さく)に囲まれたいくつかのウサギゾーンで放しがいにされていて、ハムスターは台の上のケースに入れられている。
ウサギもハムスターも、活発に動きまわってる子もいるけど、すみのところに何びきも集まって固まってる子たちが目についた。
『ヒトこわい。ヒトむり』
『ランボーされたらどうしよう』
『知らない人がいっぱい。ぶるぶるぶる……』
完全におびえちゃってる……。
「どっちもおくびょうな動物だもんね。気持ちはちょっとわかる」
すみっこにいる動物たちを、気の毒そうに見つめる若葉(わかば)ちゃん。
「あの子たちはそっとしておいてあげた方が良さそうだね。……こんにちは! わあ、ふわふわ……抱っこしていい?」
『いいよ。やさしくしてね』
そばに来てくれた人なつっこいウサギさんを抱っこして、最高の毛並みをたんのうする。
あったかくてふわふわ……あごの辺りをなでなですると、ウサギさんもうっとりしたように目を細めて、耳をぺたんとたらした。めっちゃかわいい……はあ、幸せ~。
すっかりいやされていたけど、ふと、天井に大きなクモの巣があることに気づいた。
あんな高いところにあると、なかなかそうじもできなそう……でも巣の主はどこだろう? と思った瞬間(しゅんかん)。
「ひっ!」
となりで息をのむような気配がしたと思ったら、ボン! と若葉ちゃんがハムスターに変身した!?
「いやー、クモー!」
見ると足元には三センチくらいのクモがいて、若葉ちゃんは一目散(いちもくさん)に逃げていく。
ちょうど上から落ちてきたんだ! 若葉ちゃん、クモが大キライだもんな。
幸い変身の瞬間はだれにも見られなかったっぽいけど、こんな人が多い場所で小さなハムスターが地面にいたらキケンだ。
「わ……待って!」
若葉ちゃん、と呼びたいところをグッとこらえながら、半分パニック状態(じょうたい)になっているハムスターをあわてて追いかけようとしたところ。
「なぜウサギゾーンに、ハムスター……? あなたもハグレ者なの……?」
柵(さく)に行きどまった若葉ちゃんを、希望(のぞみ)ちゃんが拾いあげた。
よかった、とホッとしたのもつかの間。
「あれ、ハムスターがまぎれこんでたの? じゃあ、ここに入れてくれる?」
ハムスターのケースを持った飼育員さんが、希望ちゃんのすぐ横の柵の外を通りかかって。
「群れにお帰り……」
希望ちゃんはケースの中に、若葉ちゃんを入れちゃった!
「待って、その子はちがいます!」
声をあげたけど、飼育員さんは気づかずにケースを持ったまま小屋から出て行ってしまうし、柵の出口が遠くて、すぐにはあとを追えない。
わたしがやっと小屋から出た時には、飼育員さんの姿は見えなくなっていた。
「どうしよう~」
「どうした、まなみ?」
青くなっていたら、尊(たける)と行成(ゆきなり)が近づいてきた。
事情(じじょう)を説明すると、二人も顔色を変える。
「自力でぬけだせるといいけどな……」
「人前で変身が解けたら、大変だよね。せまいケージに入れられた時に人間にもどったら、ケガしちゃうかもだし」
「いったいどこに連れていかれたか、だな。他の飼育員をさがして聞いてみよう――」
行成がそこまで言いかけた時、スピーカーからアナウンスが流れだす。
【まもなく、ハムスターレースが始まります。優勝(ゆうしょう)するのは何番のハムスターでしょうか!? かわいいハムスターたちを応援して、予想を当てて、ぜひ賞品をゲットしてください】
……まさか……⁉
すぐ近くにある屋外レース場に行くと、すでに数十人ほどの観客が集まっていた。
真ん中にレースコースがあって、それをとり囲むように立ち見で応援(おうえん)するみたい。
すみません、と人波をかき分けて前に行くと、仕切りにわけられたコースの入り口のところに、カラフルなゼッケンをつけたハムスターたちが一ぴきずつ入れられていた。
とってもかわいくて、普段なら和んだだろうけど、それどころじゃない。
若葉ちゃんは……いた‼ 第四コースだ。
「まなみ、尊、行成~!」
わたしたちに気づいた若葉ちゃんが、こっちを見てカリカリとかべをひっかくけど、コースの仕切りはつるつるして登れないみたい。
(ちなみに、若葉ちゃんの言葉はまわりの人にはハムスターの鳴き声にしか聞こえてないっぽい)
すぐに救いだしてあげたいけど、コースのまわりにもさらに高い囲いがあって手は届かないし、たくさんの人目があっておいそれと動けない。
「まなみ、何番が勝つと思う?」
「あそこでナンバープレートをもらって、当たったらおかしと引きかえできるんだって」
「わ、わたしはいいや、ありがとう」
「ええっ。おかしいらないの⁉ まなみが⁉」
「ウソでしょ、だいじょうぶ⁉ 空からヤリでも降ってくるんじゃない⁉」
海妃(みき)ちゃんたちにものすごく心配されて、どんだけ食いしん坊(ぼう)だと思われてるんだ、わたし? と内心ツッコんじゃったけど、のんきに予想してる場合じゃないんだよー。
「私は四番にかけるわ……あのさしせまったような必死の眼(まなこ)、ただものじゃない……」
希望ちゃん、するどいな⁉ とか感心してる場合でもなくて!
あせるばかりでいい案も浮かばないうちに、ファンファーレが鳴った。
「みなさま、お待たせしました、いよいよレースが始まります。優勝(ゆうしょう)するのは、いったい何番のハムちゃんなのか⁉ どの子もやる気まんまんで、一生けんめい走るので、応援してあげてくださいね!」
司会者さんはそう言うけど……
『だるいなー。もうレースとかあきたー』
『早く部屋にもどりたい。ぶるぶる……』
『今日のごはんは何かな~』
……ハムスターたち、完全に集中力ゼロなんですが。
「――それではレース、スタートです!」
司会者さんの声と共にゲートの仕切りが上がるやいなや、いっせいにかけ出すハムスターたち……なんてことになるわけもなく、ほとんどのハムスターは入り口のあたりでウロウロして、なかなか動かない。
そんな中、一ぴきだけ猛スピードで飛びだした優等生(ゆうとうせい)は、背番号四番。
若葉ちゃんだ!
「おっと、四番、速い速い! このまま一着でゴールするか!?」
「がんばれー」
「かわいー?」
にぎやかな声援が飛びかう中、尊がつぶやく。
「もしかして、勢いをつけて囲いをとびこえるつもりか!?」
なるほど⁉ がんばれ、若葉ちゃん!
若葉ちゃんはコースを全速力で走りぬけると、ゴール直前で、大きくジャーンプ!
いっけー!!!
四番のゼッケンをつけたハムスターは、ひょーいとレースコースの仕切りをとびこえた――けど、さらにその外側にあった囲いにショートツして、落下した。
若葉ちゃん……!
ヒヤッとしたけど、ハムスターはすぐにふるふると頭をふりながら、起きあがる。
よかった、ダメージは少なそう。でも、そろそろ二十分たつから人間にもどっちゃうよ!
「四番のハムちゃん、まさかの暴走(ぼうそう)でコースアウト⁉」
司会者さんがおどろいたように話しながら、若葉ちゃんをつかまえようと動きだす。
どうしよう、時間がない。
みんなの前で変身が解けたら大さわぎになって、この先、普通の生活はできなくなっちゃう!
――こうなったらもう後のことは考えず、ムリヤリ中に入って若葉ちゃんを逃がすしかない。
ハラハラしながらもカクゴを決めて、わたしが足を踏(ふ)みだすと同時に、となりの尊も動いた。次の瞬間(しゅんかん)。
バサバサッと一羽のタカが飛んできて、ハムスターの若葉ちゃんを足でつかむと、ふたたび空へと舞いあがった。
行成!
タカはそのまま、高速でどこかへ飛びさっていく。
「ええっ、何、今の⁉」
「タカに、ハムスターがさらわれた⁉」
「捕食(ほしょく)⁉ あのハムスター、食べられちゃうの⁉」
嵐のようなタカの乱入に、まわりはソー然(ぜん)としてたけど、わたしと尊は大きく胸をなでおろしたのだった……。
つづく 第4回は、1月30日公開予定!
書籍情報
2月12日発売予定!
シリーズ1、2、3巻ためし読み公開中★
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