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ものがたり

『放課後チェンジ 最高のコンビ? 嵐の体育祭!』ためし読み 第2回 熱血先生とさわやかキャプテン

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まなみ、尊(たける)、若葉(わかば)、行成(ゆきなり)は動物に変身できる! 笑いもトラブルもたえない学校生活の中、まなみたちにしか見えない『見えない卵』が学校で見つかり、周りの生徒が意識を失う事件がおきた! ナゾが解けないままむかえた学校一のイベント・体育祭。ところが、大事件がおきて中止の危機⁉ 体育祭はぜったい中止させない!!!



『放課後チェンジ 最高のコンビ? 嵐の体育祭!』
(藤並みなと・作 こよせ・絵)
大好評発売中!



人物紹介


目次


※これまでのお話はコチラから

 

2 熱血先生とさわやかキャプテン


「そうだ。みんな、バンソーコーつけよう」

 しっかり者の若葉ちゃんが、ポケットから四つのバンソーコーを取りだす。 

 学校にいる間は、バンソーコーで指輪をかくすことにしてるんだ。ずっとバンソーコーをつけてるとハダがふやけちゃうから、学校以外ではすぐ外すようにしてるけど。

「ありがとう」

 受けとってグルグルとまいているとちゅうで、ふああ、と大きなあくびが出た。

 悪霊(あくりょう)探しは人目につかない時間帯がいいってことで、今朝はすごく早起きしたし……。

 それにくわえて、動物に変身するのって、すごく体力使うんだよね。

 だから、一度変身した後は、少し休けいをいれないと、ドキッとしても変身しないんだ。

 さっきヘビの悪霊を見た時も、ふだんなら変身してたはず。

 事件が解決できたのはいいけど、朝からもう、つかれちゃったよ~。

「でかいあくび! また授業でいねむりしてヨダレたらすなよ」

 尊にからかわれて、わたしは力強く言いかえす。

「いねむりはしても、ヨダレはたらさないよ‼」

「いねむりもしないで、まなみ」

 すかさず若葉ちゃんにツッコまれ、そうだな、と行成がうなずく。

「むしろヨダレはたらしても、いねむりはガマンすべき」

「そんないつもヨダレたらしてないから! 人を変なキャラにしないで!」

 四人でわいわいしゃべりながら教室へ向かっていたら、体育館のほうから、背の高い男子生徒とマッチョな先生がやってきた。

「神崎いいいいいい! 元気だったか?」

 マッチョな先生は、尊に気づくと、大声をだして走ってくる。

 確か、バスケ部顧問(こもん)の地井川(ちいかわ)先生。

「は、はい」

「元気ならバスケ部にもどってこい! 今も朝倉(あさくら)とおまえの話をしてたんだ。もうすぐ夏季大会だ! レギュラーは約束する!」

 尊のかたに手をおいて、熱っぽく語る、地井川先生。

 名前はちいかわなのに、声も体もでかくて圧がある。

「すみません。オレ、まだもどれません」

「なぜだ⁉ おれにはわかる! おまえはバスケを愛している! それなのに、なぜ休部なんてするんだあー⁉」

「あ、愛……」

 大げさな物言いに、少し赤くなる尊。

 わたしも聞いててはずかしくなってくる。

「もどってこい、神崎!」

「気持ちはありがたいけど、ムリです」



 

「そんなこと言うな! もどってくると言うまでおれはあきらめないぞ、カムバック、カムバッーク、神崎いいいいいいい!

「先生、ムリ強いはダメですよ。神崎にもきっと事情があるんだから」 

 ヒートアップする地井川先生にそう声をかけたのは、背の高いさわやかな雰囲気の男子生徒だった。

「だが、朝倉(あさくら)……」

「神崎なしでも、勝てるチームを作りましょう。――でも、もどってくるなら、いつでも大かんげいだからな」

 尊の方を見て、笑顔でそう付けくわえる朝倉さんに、尊もパッと顔を明るくして「はい!」と答える。

「夏季大会、がんばってください!」

 朝倉さんは、「ありがとう」と手をあげると、先生をうながして去っていった。

「――熱いね、地井川先生」

 深々とため息をつく若葉ちゃんに、「マジで」とうんざりしたようにうなずく尊。

「会うたびに、しつこくもどるように言われる……気持ちはうれしいけどなー」

 指輪をはめている時に全力を出そうとすると、動物の運動能力が使われる。

 尊はバスケの試合で、自分の本来の力じゃない力で勝ってしまうのはフェアじゃない、と考えて、バスケ部を休部中なんだ。

「あの背の高い人は、キャプテン?」

「そう。朝倉センパイ。すげー練習熱心で、仲間想い。あの人がいたら、きっと今度の大会も勝ちぬけるはずだ」

 おお、アマノジャクの尊がこんな素直に人をほめるなんてめずらしい。 朝倉先輩のことを話しだすと、心なしか目がキラキラしてるし……尊敬してるんだね。

「見るからにさわやかでカッコいいよね。ちょっと漣(れん)くんに似てるし♡」

 わたしが少しはしゃいで言うと、とたんに尊は「は?」と、まゆをひそめた。

「アイドルなんかに似てねーし、朝倉センパイがまなみのことなんて相手にするわけねーだろ。バッカじゃねーの、この脳みそお花畑のミーハー女子」

「はああああああ⁉ アイドル〈なんか〉って何⁉ アイドルはこの世に幸福をもたらす素晴らしく尊い存在だし、漣くんはルックスがいいのはもちろんだけど歌もダンスも演技も上手で誠実で努力家で気づかい上手で知れば知るほどカッコいい最高のマックスレベルを更新しつづける最強で無敵の大スターなんだから!」

「うわ、オタクの早口、キモ」

「無礼のカタマリか⁉ 口悪サイテー男に言われるスジ合いないよ!」

「まなみが身のほど知らずのハジ知らずだから」

「尊こそレイギ知らずで天井知らずに性格悪すぎて信じられない」

「二人とも、そろそろ行かないと朝のホームルーム始まるよ……」

「先行くぞ」

 若葉ちゃんになだめられ、行成はさっさと歩きだす。 尊もべー、と舌を出してから、行成のあとを追った。

「マジでなんなの、尊! ちょっと先輩のことをカッコいいって言っただけだよ? べつに付きあいたいとかそんなつもりじゃないのに、あんな言い方……ほんとムカつく!」

「うん、今のは尊が悪いね。思春期(ししゅんき)とはいえ、やっかいだ」   

 苦笑いする若葉ちゃん。

「思春期? あ、反抗期ってこと?」

「まあ、そんな感じ」

「こういう時、となりのクラスで良かったと思うよ。あいつの顔が見えるだけで絶対むしゃくしゃしちゃうもん」

 教室に入って、若葉ちゃんにそう言うと、「あー」とビミョーな反応がかえってきた。

「でもまなみ、今日の四時間目の家庭科……」

 若葉ちゃんの言葉に、そういえば! とショックを受ける。

 二クラス合同の、調理実習だ――。


第3回へつづく


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