スペシャルれんさい『ぼくらのオンライン戦争』第１回　

宗田理さんの「ぼくらシリーズ」書き下ろし新作をどこよりも早くヨメルバで大公開！　
ぜひ、れんさいを読んで、みんなの感想を聞かせてね。感想はコチラ♪
『ぼくらのオンライン戦争』は2023年3月8日発売予定です！　お楽しみに♪
 

登場人物

菊地英治（きくちえいじ） 中２ いたずらを考える天才。

中山ひとみ（なかやまひとみ） 中２ 水泳が得意。

相原 徹（あいはらとおる） 中２ 仲間をまとめる。

☆100秒でわかる！ ぼくらシリーズの動画はコチラ！

第１回

　英治（えいじ）たちの中学二年生の一学期も、あと三日で終わる。

　今年の夏は特に暑く、一週間前に梅雨が明けてから猛暑日（もうしょび）が続いている。

「こんなに暑くちゃ、勉強なんてやってらんないよ」

　授業が終わると、日比野（ひびの）が額の汗をぬぐいながらつぶやいた。

「暑くなくたって勉強しないくせに、よく言うぜ」

　すかさずツッコミを入れたのは英治だ。

「そうなんだけどさ。暑いと、よけいにやる気が起こらなくなるんだよ」

「日比野の気持ちはわかる。だから、夏休みがあるんじゃないか」

　相原（あいはら）がやってきて言った。

「そうだよな。夏休みがなかったら、おれ、どうかなっちゃうぜ」

「でも、エアコンの効いた部屋でゴロゴロしてるだけじゃ、もっと太っちゃうぞ」

「そこまでぐうたらじゃないよ。去年の夏休みだって、みんなといっしょに廃工場（はいこうじょう）で暴れたじゃないか。おれがいたこと、ちゃんと覚えてるか？」

「あたりまえだ。料理長のおまえがいなかったら、あの一週間を乗り切れなかったかもしれない」

「そうだろ！」

「でも、あれは楽しかったな。今思いだしても胸がドキドキしてくる」

　英治が興奮しながら言った。

「今年の夏もワクワクするようなことをしたいなあ。菊地（きくち）、何かないのか？」

　日比野は期待しているようだ。

「ないわけでもない。なあ」

　英治はそう言いながら、相原の顔を見た。

「何かあるのか？」

「ああ。カッキーがおもしろい話があるって言うんだ」

　相原が答えると、

「おもしろい話？　もったいぶらずに教えてくれよ」

　日比野が目を輝かせている。

「じつは、おれたちもくわしいことは知らないんだ。今日おれの家で、カッキーから話を聞くことになってる。よかったら日比野も来いよ」

「いいのか？」

「もちろんだ」

「やったぜ！」

「じゃあ、いったん家に帰って五時までにきてくれ。菊地もな」

「オーケー！」

　相原の呼びかけに、英治と日比野が声を合わせた。

＜第２回とつづく＞（２月１０日公開予定）

＊実際の書籍と内容が一部変更になることがあります。
 

『ぼくらのオンライン戦争』は３月８日発売予定！

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