学校でも、塾でも教えてくれない「スマートフォン(スマホ)・インターネット(ネット)」のカッコいい使い方とは? スマホやネット、ぼんやり眺めているだけだと、ビックリするようなことも起きてしまうかも!? 情報社会にこれから出ていくみんなが読んでおきたい最強の教科書。
第3回目は「ギモン2 スマホをただ見ているだけでどうして人は変わっちゃうの?」を試し読み!
※本連載は『スマホを見てただけなのに! 13歳から知っておきたい情報社会のかしこい生き抜き方』から一部抜粋して構成された記事です。
どうして人は変わっちゃうの?
スマホが登場してから、世界中で、「まわりの人に興味がもてない」「うまく人の話が聞けない」「自分だけよければそれでいい」……という人が増えています。ゆとりがなくなり、いつもセカセカしてしまう人や、1つのことに集中できない人、3秒待たされるだけでイライラしてしまう人まで。
どうして、スマホはこんなにも人を変えてしまうのでしょうか?
私たちは情報を「食べている」!?
朝起きてすぐ、あなたは何をしますか?
顔を洗う? コップ1杯の水を飲む? ……いえ、たぶん多くの人は、まずスマホを手に取るでしょう。LINEの通知をチェックし、気になることをチャットGPTに聞き、それからXやインスタグラムを開いてタイムラインをチェック。
ひとたびスマホをひらけば目に飛び込んでくる、あらゆる文字や写真、動画。その瞬間、まるで吸い込まれるように、さまざまな「情報」が一気に、私たちの体の中に流れ込んできます。タップして次の画面に行ったり、別のアプリを開いたり、スクロールしたり。そのたびに、私たちは次々と、新しい情報を、自分の体の中に取り込んでいるのです。
こうして取り込まれた一つひとつの情報は、その後、私たちの体にどんな影響を与えるでしょうか。
たとえば、バズっている動画を見たとき。
面白くて腹を抱えて笑ってしまったかもしれません。
不快になったり、悲しい気持ちにさせられてしまったりしたかもしれません。
それから、その動画に「いいね」を押してみたり、その場で、隣にいる人に見せてみたりと、なんらかの“行動”を起こします。
ちなみに動画を見始めてからここまで、ほんの数秒、長くても1分くらいなものです。
このように、スマホから体の中に取り込んだ情報は、私たちの「感情」や「考え方」、「行動」にまで、少なからず、なんらかの影響を与えています。
しかも、スマホのスクリーンを見続けている間は、さまざまな情報を休むまもなく次々と取り込んでいるわけですから、私たちの体もひっきりなしに、その影響を受け続けていることになります。スマホをひらく前と後では、ちがう「感情」や「意見」をもったあなたがそこにいるのです。
スマホはただ見ているだけで、私たちの内面に大きな影響を与えている。
……このことをわかりやすく理解できる、いいたとえがあります。それは、「情報は、食べ物のようなもの」だという考え方=情報的健康という概念です。
「情報との接触」=「食事」、という考え方
「情報を食べている」と言うと、ちょっと変に聞こえるかもしれません。でも、この言い方にはちゃんとした理由があります。
情報も食べ物も、“好き嫌い”があります。隣の人が好きな情報は、あなたにとってはまったく興味のないものかもしれません。
さらに、よく噛んで「消化」しないと、自分にとって「栄養」にならないというのも、情報と食べ物とではよく似ています。たとえば6歳の子どもに、難しいニュースの記事を読み聞かせたところで、それだけでは賢い子になれません。テストの前日に情報を詰め込みすぎると、逆に頭がパニックになってしまいます。これらは、スポーツの試合前にごはんを食べ過ぎると、消化不良で、実力が発揮できないのと同じなんです。
このように、情報に触れること=食事、と考えると……なぜ、スマホで人が変わってしまうのか、なんとなくわかる気がしませんか。スマホを見ている「だけ」とは言っても、その瞬間にたくさんの情報が、次々と私たちの体の中に入り込んで、さまざまな影響を与えているのです。
スマホを見ている「だけ」で、健康的になったり、逆に不健康になったりと、心や体が大きく変化してしまうのも無理はありません。
スマホは世界中のどんな情報でも一瞬で届けてくれる、スーパー・ウーバーイーツ!? でも正しく使わないと、自分が好きなものばかりが、勝手に何度も繰り返し届いちゃう!?
◆第4回目「ギモン3 大人だってずっと見ているスマホ。みんな、いったい「何」を見てる?」へつづく(4月17日公開予定)
【著者プロフィール】
鈴木雄也(すずきゆうや)
1989年生まれ。岐阜県出身。情報的健康プロジェクトメンバー兼慶應義塾大学 X Dignityセンター連携所員。横浜国立大学卒業後、地方テレビ局の報道記者や営業担当として約10年間にわたり取材・制作・営業などに従事。その後、外資系ウェブメディア、新聞社と、メディア業界の現場を横断的に経験。2022年より情報社会とリテラシーに関する研究・発信をライフワークとし、「情報的健康プロジェクト」に参画。慶應義塾大学法科大学院・山本龍彦教授らとともに共同提言を執筆。Podcast、noteなどで情報社会における“情報的健康”の重要性について発信している。