学校でも、塾でも教えてくれない「スマートフォン(スマホ)・インターネット(ネット)」のカッコいい使い方とは? スマホやネット、ぼんやり眺めているだけだと、ビックリするようなことも起きてしまうかも!? 情報社会にこれから出ていくみんなが読んでおきたい最強の教科書。
第2回目は「ギモン1 人はどうしてスマホを見続けてしまうの?」を試し読み!
※本連載は『スマホを見てただけなのに! 13歳から知っておきたい情報社会のかしこい生き抜き方』から一部抜粋して構成された記事です。
スマホを見続けてしまうの?
現代の私たちは、スマホを24時間365日、いつもそばに置いて生活しています。多い人だと、1日10時間以上、起きている時間のほとんどを、スマホのスクリーンを見ながら過ごすとか。
いったいどうして、私たちはこんなにも長いこと、スマホを見続けてしまうのでしょうか?
スクリーンにクギヅケにする力が半端じゃないスマホ
スマホが初めて登場したとき、世界中の人がそのスゴさに驚きました。ポケットに入るサイズでありながら、電話もできて、インターネットも見られて、1000曲の音楽を持ち歩ける。ボタンがなくて、指で画面を操作するのも夢のようでした。
そんな素敵なデバイスを手にした私たち人間は、みんなハッピーに……なれたかと思いきや、みんなで一緒に、ある「悩みのタネ」を抱え込むことになりました。それは、スマホをあまりに長い時間、ついつい見続けてしまうことです。1分だけのつもりが10分に。ユーチューブで話題の動画を1本だけ……のつもりが、気づけば30分経っていた、なんてことも!?
いったいなぜ、私たちはこんなにもスクリーンにクギヅケにさせられてしまうのでしょうか?
見れば見るほどお金が生まれる!?
私たちがスマホを見ている間、インターネットの世界で何が起きているかを考えてみましょう。
あなたがアプリを開いて、リンクをタップすると、新しいページが開きます。
そこでは動画が自動的に再生されたり、バナー広告が表示されたりするかもしれません。広告を消そうとして「×」を押そうとしたら、間違えて広告のページに飛んでしまうこともあるでしょう。
もう一度やり直そうともとのページに戻ると、また別の動画広告が自動で再生されます。すると、この広告がたまたま気になるやつで、しばらくこのページにとどまることに……。
はい、ここまで。たったこれだけで、あなたは「3つのページにアクセス」し、「3つ以上の広告を表示」させ、「2つの動画広告を再生」し、そのうち「1つをタップ」しました。
実は、そのすべてがお金を生み出しています。インターネットの世界では、お金をはらって、あなたの「1アクセス」「1表示」「1再生」「1タップ」「1秒間」を買っている人が、たくさんいるのです。
タップしてページを開いてもらうのはもちろん、「ちょっと気になるかも」とあなたに手を止めさせること(1表示としてカウント)さえ、お金で買いたい人がいます。あなたの「これ、ちょっと気になるかも」というほんの一瞬の時間が、だれかに買われているって、少しびっくりしませんか。
どうして刺激強めな動画が広がっていくのか
このように、「あなたの時間」を買いたい人が世界中にあふれた結果、何が起きるでしょうか。
私たち一人ひとりが持っている時間は、1日24時間しかありません。その限られた時間を、たくさんの人たちが取り合うような“競争”が起きるようになったのです。私たちの貴重な1時間、1分、1秒を奪うために、中には「できることなら何でもする」という、ちょっとずる賢い人まで、現れてきました。
たとえば、「えっ」「ちょっと何これ!」「ウソでしょ!?」と思ってしまうような動画を、スマホでよく見かけませんか。
過激な動画が、あなたのスマホによく表示されるのも、つい気になって手を止めてしまったり、つい、続きを見たくなったりするからです。その方が「お金になる」からです。挙げ句の果てには「ウソのニュースをたくさん作れば儲けられるぞ」と考える人まで、増えてしまいました。
さらにSNSやニュースアプリが、このようなお金を生み出してくれる動画や記事を上に出すようになると、“ 刺激が強いニュース”がどんどん増えて、タイムラインがそれでいっぱいになります。
その結果、ちょっとつまらないけど本当のニュースだったり、難しくてすぐには読みきれないけど大事なことが書かれている記事だったりが、「たくさんの情報の山」にうもれてしまうことになります。
スマホが登場してからもうすぐ20年。その間、スマホは私たちの暮らしをものすごく快適に、便利にしてくれました。が、同時に、そんな大きな悩なやみのタネを一緒に運んできたのです。
今日も世界中の人たちが、「あなたの1秒を買わせて!」と、競うようにあなたのスマホにむらがってきています。
スマホは私たちを「やみつきにさせる力」をどんどんパワーアップさせてきた! それに対抗するために、私たちも「めんえき」をパワーアップさせていこう!
◆第3回目「ギモン2 スマホをただ見ているだけでどうして人は変わっちゃうの?」へつづく(4月17日公開予定)
【著者プロフィール】
鈴木雄也(すずきゆうや)
1989年生まれ。岐阜県出身。情報的健康プロジェクトメンバー兼慶應義塾大学 X Dignityセンター連携所員。横浜国立大学卒業後、地方テレビ局の報道記者や営業担当として約10年間にわたり取材・制作・営業などに従事。その後、外資系ウェブメディア、新聞社と、メディア業界の現場を横断的に経験。2022年より情報社会とリテラシーに関する研究・発信をライフワークとし、「情報的健康プロジェクト」に参画。慶應義塾大学法科大学院・山本龍彦教授らとともに共同提言を執筆。Podcast、noteなどで情報社会における“情報的健康”の重要性について発信している。