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プロローグ・はじめに 『スマホを見てただけなのに!』ためし読み 第1回


学校でも、塾でも教えてくれない「スマートフォン(スマホ)・インターネット(ネット)」のカッコいい使い方とは? スマホやネット、ぼんやり眺めているだけだと、ビックリするようなことも起きてしまうかも!? 情報社会にこれから出ていくみんなが読んでおきたい最強の教科書。
第1回目は「プロローグ~はじめに」を試し読み!

※本連載は『スマホを見てただけなのに! 13歳から知っておきたい情報社会のかしこい生き抜き方』から一部抜粋して構成された記事です。


プロローグ

あるところに、「スマホ中学校」という名の中学校がありました。

 

そこに通う2人の生徒、布楽須(ぷらす)さんと

舞奈須(まいなす)くんは、大の仲良しです。

 

2人ともクラスの人気者で、成績優秀。

テストの点も、スポーツでも、いつも競い合う仲でした。

 

3年生になり、卒業の時を迎えた2人は、

10年後、また会おう」と約束し、それぞれの道へ歩み出しました。

 

――それから、10年が経ちました。

大人になって、久しぶりにみんなで集まる同窓会が開かれることになりました。

布楽須さんと舞奈須くんも、久々の再会です。

 

でも、そこへ現れたおたがいの姿を見て、びっくりしました。

どちらも、中学生の頃とは少し、様子が違っていたのです。

 

舞奈須くんは布楽須さんに聞きました。

「久しぶり。ずいぶんあか抜けておしゃれになったね。今は何しているの?」

 

布楽須さんは答えました。

「今はインフルエンサーをやっているよ。フォロワーはあと少しで100万人なんだ。よかったらフォローしてよ」

「それはすごいね。でも、どうしてそんなふうになれたの?」と舞奈須くん。

 

すると布楽須さんは、

スマホを見てただけなんだけど、ある時動画を見て、気づきがあって、それから

……」

 

今度は布楽須さんが舞奈須くんに聞きました。

「ちょっと元気なさそうだけど、大丈夫? 今何しているの?」

 

舞奈須くんは答えました。

「ちょっと前にお金をだまし取られてしまって、今は家に引きこもってゲームばかり。おまけに体調も悪くなって散々だよ」

 

「それは大変だね。でも、どうしてそんなことになったの?」と布楽須さん。

すると舞奈須くんは、

スマホを見てただけなんだけど、いきなりアカウントが乗っ取られて……」

 

話をしているうちに、2人はハッと気がつきました。

 

2人とも、同じように動画を見たり、SNSをやったりしていただけ。

それなのに、何とびっくり、こんなにも大きな差が、生まれていたのです。

 

スマホを見ていただけなのに……。

 

その使い方ひとつで、人生が好転したり、あるいは停滞してしまったりするかもしれないなんて……!

 

2人は話し合いました。

スマホがもつすごいパワーや、スマホに恐ろしいワナが潜んでいること。

 

そして、スマホをうまく使いこなせるようになるにはどうしたらいいか。

そんな体験談とアドバイスをまとめた『1冊の本』を、スマホ中学校の後輩たちへ贈ることにしました……。


 

はじめに

 スマホの代表格と言えるiPhone が登場してから、もう少しで20年ほど。10代や20代のほとんどの人にとって、スマホがない世界など想像もつきません。スマホなしで、待ち合わせ場所にどうやって集合したらいいでしょう。ヒマな時、もしスマホがなかったら……それはもうパニックです。

 

 そんなスマホを、子どものころから大人になるまでずっと持ち続けたら、人はいったいどうなってしまうのでしょうか。

 

 少しずつ、世界中の研究者たちが、スマホを見ているだけで、「こんないいことがありそう」「こんなひどい目にあっちゃうかも」といったデータを集め始めています。

 それによると、どうやらスマホが登場してから今日まで、「他の人のことに興味がない人」や「人の話がうまく聞けない人」、さらには「いつもイライラして、批判ばかりしている人」が、ものすごく増えていると言います。要するに、私たちの社会に「ちょっとイヤな人」が、増えているのです。

 

 一方で、スマホをうまく使いこなし始めた人もいます。スマホの力で、夢を叶えたり、だれからも愛される人気者になったり、だれよりも幸せそうに生きられるようになったりする人もいます。

 

 最初に書いたおはなしは、世界のあらゆる難しい問題や、複雑な物事を削ぎ落として、「スマホ」と「人間の内面の変化」だけに注目したものです。たとえスマホがなくとも、中学校を卒業してから10年も経てば、面影もないほど変わっちゃう人はたくさんいます。でも、そこにスマホがある場合には、その変わり方が、もっと激しく、極端になるのではないかと言われています。

 

 つまり、スマホがなかった時代には「ちょっとだけイケてる」レベルだった人が、スマホの力で「めっちゃイケてる人」に。「少しだけしんどそう」だった人が、スマホのせいで「だいぶしんどそうな人」に……。スマホにはそれだけ、人を大きく変えてしまう力があるのです。良くも悪くも。

 

 これから持ち始める、あるいは持ち始めたばかりのみなさんには、ぜひ、スマホをスマートに、使いこなせるようになってもらいたいと思います。そのためには、たとえば次のような場面で、自分なりの答えをもっておくことが大切です。

 

 ☑どうしたら「10分のつもりが、30分、1時間過ぎちゃった」をやめられるか。

 ☑どうしたら「ミスが増えて、ついイライラしちゃう」をやめられるか。

 ☑どうしたら「広告を見て、本当はいらないはずのものを買ってしまった」をなくせるか。

 ☑「匿名で書いたことがバレた」「みんなが自分の悪口を言っている気がする」……そんなつらい思いを、どうしたらせずに済むか。

 

 スマホを見てただけなのに、どうしてこんなことに――? その理由と構造をしっかりと理解するだけで、明日から、スマホに向き合う姿勢が劇的に変わります。

 もしかしたら「ちょっとイヤな人」にされてしまうかもしれないスマホ。でもうまく使いこなせば、ときめく毎日を彩るアシスタントになってくれるスマホ。

 さあ、あなたはどんな未来へ、このデバイスを持っていきますか?


第2回目「ギモン1 人はどうしてスマホを見続けてしまうの?」を読む



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【著者プロフィール】
鈴木雄也(すずきゆうや)
1989年生まれ。岐阜県出身。情報的健康プロジェクトメンバー兼慶應義塾大学 X Dignityセンター連携所員。横浜国立大学卒業後、地方テレビ局の報道記者や営業担当として約10年間にわたり取材・制作・営業などに従事。その後、外資系ウェブメディア、新聞社と、メディア業界の現場を横断的に経験。2022年より情報社会とリテラシーに関する研究・発信をライフワークとし、「情報的健康プロジェクト」に参画。慶應義塾大学法科大学院・山本龍彦教授らとともに共同提言を執筆。Podcastnoteなどで情報社会における情報的健康の重要性について発信している。



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