夏や秋はたくさん昆虫たちがみられる季節です。
どれだけたくさん虫探しをしても、まだ見たことない不思議な虫たちに出会えるのが昆虫採集の面白いところです。
わからない虫がいたら、写真を撮ったり捕まえたりして、その種類を調べて、どんどん色んな虫を覚えていくのが大切ですが、そんな虫たちの中には、近づいたり触ったりするととても危険な種類もいます。
今回はそんな注意するべき虫たちについてお話しします。
特に小さなお子様がいる家庭などは「子供がこの虫を触っても大丈夫なのか?」と心配することも多いかと思いますので、ここで代表的な種類をいくつか紹介します。
注意するべき虫たちの中にもいくつか種類があります。
触らなければ大丈夫な虫、正しい捕まえ方をすれば問題ない虫、見つけたら近づかない方がいい虫など、危険度はそれぞれなので、正しい知識を持つことが大切です。
注意するべき危険な虫たち!
イラガ
みなさんの身近に潜む代表的な危険な虫の一種です。ガのなかまの幼虫で、公園や庭先の木によくついている毛虫です。
イラガにはいくつか種類がいますが、身近にいる代表的なイラガやシロヘリアオイラガは蛍光色の緑色の体色をしており、毒針毛を持っています。
別名「電気虫」とも呼ばれるこの幼虫の毒針毛に触れてしまうと、その別名通り電気が走ったような痛みが走り、肌が弱い人は皮膚炎を起こすことがあります。見つけても手で触るのはやめましょう。
チャドクガ
イラガに続いて、人が刺されてしまう毛虫の代表的な種類です。チャドクガという種類のガの幼虫で、春と秋に集団でツバキ類の植物状に見られます。
チャドクガの場合はイラガと違い、なんとその毒毛が風に乗って飛んでしまいます。そのため、チャドクガに近づいただけでその毒毛が身体についてしまって、炎症を引き起こすことがあります。洗濯物に毛が付いており、それを着てしまうことで症状が出たという話もあります。
チャドクガによる皮膚炎は通称「毛虫皮膚炎」と呼ばれ、赤い湿疹が多く出て強い痒みが現れます。チャドクガの毒針毛に刺された場合は、粘着テープで毛をとったり、流水で洗い流すという対処が有効です。毒毛を取り除いたら皮膚科で診てもらいましょう。
スズメバチ
夏から秋にかけて、雑木林やその周辺でみられる大型のハチです。刺されるととても強い痛みと腫れを引き起こします。とくに怖いのが、複数回刺されることで、アレルギー反応によるアナフィラキシーショックを引き起こしてしまう可能性があり、重症化すると命に関わることがあります。
スズメバチのなかまは日本に数種生息していますが、その中でも人間への被害が特に多いのはキイロスズメバチです。キイロスズメバチは人家周辺を利用して巣を作ることが多く、ベランダや屋根などにバスケットボールほどの大きさの巣を作ってしまうこともあります。
秋になると巣が一番大きくなり、彼らの繁殖シーズンとなります。そのため活動が活発になることから、秋にスズメバチの被害を受ける方が多くなります。
スズメバチは自らいきなり攻撃してくることはないため、見つけたら静かにそっと離れることが大切です。しかしふとした時に巣に近づいてしまって、襲われてしまうケースが多いため、雑木林や草むらに近づく時は注意する必要があります。
ツチハンミョウ
光沢のある青い体をしているコウチュウのなかまです。ハンミョウという名前がついていますが、一般的に知られているようなハンミョウのなかまではありません。
一見毒のある昆虫には見えないですが、刺激されると脚の関節などから黄色い液体を出します。これはカンタリジンと呼ばれる非常に強い毒です。皮膚に触れると火傷のように水脹れになることがあります。見かけても素手では触らないようにしましょう。
外に出かける時には?
このように、触ったり近づいたりしない方がいい虫はみなさんの身の回りにもいます。
だからといって外で遊ぶのを控えたり、自然の中を散策できないのはとてももったいないことです。簡単にできる対策としては、
・長袖、長ズボンで出かける
・むしよけスプレーをふる
・ポイズンリムーバーを携帯する
などがあげられます。
今年はマダニによる被害も非常に多いため、草むらに近づく時は虫除けスプレーを体全体にふりかけてから入りましょう。また、ハチに刺された時にはポイズンリムーバーも応急処置になります。
もちろん対策をしていた場合でも危険な虫に刺されたりした場合はきちんと病院で診てもらいましょう。その際は、その虫の写真を撮っておくと病院でも正確な判断をしてもらいやすくなります。
このように、楽しい自然観察の中にも危険は潜んでいます。正しい知識を身につけて、危険な虫を触ったりしないようにしましょう。
写真:PIXTA
【プロフィール】
むし岡だいき
昆虫採集YouTuber 。チャンネル登録22万人 、一番好きな昆虫はコロギス。