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結晶には特徴的な〝顔つき〞と〝クセ〞がある『石のひみつがすべてわかる! すごすぎる鉱物の図鑑』ためし読み


鉱物は地球がつくった自然の作品で、「地球からの手紙」ともいえるもの。地下深くの高い圧力や温度、火山活動、岩のすき間を流れる熱水……さまざまな出来事が重なって、多様で多彩な鉱物が生まれます。宝石になるもの、金属やガラス、電池の材料など生活を支えるものもあります。この本には、そんな鉱物たちの「すごすぎる」話を集めました。

連載第4回は、CHAPTER3「鉱物の特徴のはなし」の中から「結晶には特徴的な〝顔つき〞と〝クセ〞がある」を紹介します!

※本連載は『石のひみつがすべてわかる! すごすぎる鉱物の図鑑』から一部抜粋して構成された記事です。


結晶には特徴的な〝顔つき〞と〝クセ〞がある

 結晶の美しさは、平らな面がつくる多面体の造形にあります。これには面角一定の法則という重要な法則があります。これは同じ物質なら、どの結晶でも対応する面どうしがつくる角度は常に一定であるというルールです。外形が大きかったり小さかったり、面の出方が違って見えても、その角度はその結晶構造が決めた値から動きません。現れる結晶面の組み合わせを晶相、面の組み合わせが同じでも大きさの比が異なることによる外形の違いを晶癖といい、この発達の程度は環境によって変わります。

 これは、結晶の単位格子の話に関係します。結晶の面は基本的に結晶系、結晶軸の長さと角度によって、およそ決まってきます。そのため、例えば石英(水晶)の結晶なら隣り合った柱面どうしの角度は必ず120度になり、これはどんな水晶であっても一定です。つまり、結晶の角度は構造の対称性を示し、その形は、結晶成長がどんな条件で起こったのかを記録しています。

石英(水晶)に見る面角一定の法則


ひとつひとつ、形が違う石英の結晶。それでも、結晶を支配する法則により、面と面の間のお互いの角度は常に一定。結晶の中で、物質が独自に規則正しく原子が配列していることの証拠となる。


石英(水晶)に見られる晶癖


針水晶。柱面が大きく発達し、末端の錐面がほとんど見えない。低温で、二酸化ケイ素の過飽和度が高い条件で出現しやすい(福島県南会津郡南会津町舘岩・蛍鉱山)。


六角両錐の石英。柱面がまったく成長しないもの(ロシア・沿海州ダルネゴルスク/結晶サイズ 8 ㎜)。


石英は合成でも結晶をつくれるが、角度は天然のものと全く同じ。利用法に応じて、晶癖を制御している。


  豆知識  

以前は測角器で結晶面の角度を測り、結晶の対称性や種類を調べていました。現在は、小さな結晶にX線を当て、結晶の中の原子で跳ね返るX線の角度と強さを測ります。



鉱物のことをたくさん覚えるのも楽しいのですが、大切なのは目の前の石をみて「なぜだろう」と考えてみることです。色や形、重さなど小さな違いに気づくと、ただの石ころに思えていたものが急にこちらに語りかけてきてくれます。気になる石を見つけたら、ぜひじっくり観察してみてください。そして、足元に広がる地球の世界を、これからも楽しんでいただけるとうれしいです!


【書籍情報】


著者: 田中 陵二

【定価】
1,595円(本体1,450円+税)
【発売日】
【サイズ】
四六判
【ISBN】
9784046071705

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