
「友達をつくるのが苦手」「将来がなんとなく不安」「なんにもやる気が起きない」……。この本はそんな悩みで「いっぱいいっぱい」になっている中学生・高校生のための「毎日のお守り」です。「学校生活」「親」「友達」「自分」の4つのカテゴリーの悩みに寄り添う内容で、解決のヒントが見つかる1冊です。
※本連載は『いっぱいいっぱいの自分から脱出する方法 今を生きる10代のための40のヒント』から一部抜粋して構成された記事です。一部写真は本には掲載されていません。
自信がない……
「自信がないんです。どうしたらいいでしょうか?」
これは中高生からだけでなく、大人のカウンセリングをしていても、社員研修をしていても、多くの人から出てくる質問です。
残念ながら、自信は自然と身につくものでもなければ、誰かが授けてくれるものでもありません。
服やアクセサリーのように、どこかで売っているものでもありません。
自分の行動や経験によって、初めて手にすることができるものなのです。

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自信と約束との意外な関係
意外に思われるかも知れませんが、自信と約束には密接な関係があります。
まずは、約束の方に着目してみましょう。
私たちは、友達、先生、親や兄弟など、いろいろな人たちと様々な約束を交わします。
その約束を守るには、苦労や犠牲を伴うことも多く、面倒に感じることも多いでしょう。
それにもかかわらず、私たちは約束を守ろうとします。
なぜ、私たちは約束を守ろうとするのでしょうか?
一番の理由は、それによって得られるメリット、つまり何か良いことがあるからです。
約束を守ることによって、私たちは相手からの信頼を得ることができます。
好感度や評価も上がります。
このように、自分にとってプラスになることの方が多いから、多少の犠牲を払ってでも、私たちは約束を守ろうと努力するのです。
もちろん約束を破れば、信頼、好感度、評価のすべてが急降下してしまいます。
約束を交わす相手は他人だけではない
先ほど列挙した約束を交わす相手(友達、先生、親や兄弟など)の中に、ある大切な人が含まれていなかったのですが、気づかれましたか。
それは、「自分」です。
約束には、「他人との約束」だけでなく、「自分との約束」もあるのです。
「自分との約束」とは、例えば「今日は、家に帰ったら、ゲームをする前に、まずまっさきに宿題を終わらせよう」みたいな自分でやると決めたことです。
「自分との約束」も「他人との約束」と全く同じ現象が起こります。
つまり、「自分との約束」をしっかりと守れば、自己信頼(これこそが「自信」です)や自己評価も上がります。
その一方で、「自分との約束」を破れば、自己信頼(自信)や自己評価も下がってしまいます。
友達に約束を破られたら、がっかりしますよね。
その人のことを、ちょっと嫌いになっちゃいますよね。
ということは、自分との約束を破れば、自分にがっかりしてしまいます。
そして、自分のことが、ちょっと嫌いになってしまうのです。
常にあなたは、あなた自身を見ています。
巧みな嘘や言い訳によって、他人を欺くことはできるかもしれませんが、決して自分自身を欺くことはできません。
だから、私たちは、自分自身と交わした約束とも真剣に向き合い、それらを一つ一つ着実に守っていくことが大切なのです。
今後は、自分との約束を他人との約束と同様に大切に扱い、「自分との約束」も、しっかりと守るように心がけてください。
他人からの信頼を得るのには時間がかかるのと同様、自信も一朝一夕には身につけられるものではありません。
簡単なことからでいいので「やる」と決めたことを、コツコツと実行するようにしましょう。
そうすれば、徐々にではありますが、自信が増している自分を必ず実感できるようになるはずです。
まとめ
▶ 自信は自然には身につかないし、人が与えてくれるものでもない。
▶ 「自分との約束」を守ると、自己信頼(自信)が上がる。
▶ 簡単なことからでいいので、やると決めたことは必ず実行しよう。
書誌情報
著者: 内田 和俊
- 【定価】
- 1,540円(本体1,400円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 四六判
- 【ISBN】
- 9784046072399