
登録者数160万人超の生き物系YouTuber・ホモサピによる最新作『冒険が知識に変わる ホモサピのいきもの調査報告書』。ホモサピのこれまでの体験を紹介しながら、生き物の不思議や自然と触れ合う楽しさを語ります。今回はその中から「毒ガスを放つミイデラゴミムシ」をご紹介。
ゴミムシのおならでヤケドしかけた!

「俺にさわるとヤケドするぜ」なんてキザなセリフがあるが、実際にさわるとヤケドしそうになる虫がいる。ミイデラゴミムシだ。
あるケラの卵しか食べない。偏食するにしても、もっとほかにあっただろうと思うけど、なぜかあいつはケラの卵を選んだ。成虫は、夜の山へ行けばミミズの死がいによく群がっているので見つけるのはとても簡単だ。1~2㎝ほどの大きさで、全体的に黄色いが背中は黒い模様が入っている。見た目はとくになんてことない派手めの虫といった感じだ。
しかしあなどってはいけない。こいつのすごいところは、「おなら」だ。夢中でエサを食べているところに、背中を指でツンツンするとおしりから勢いよく「プシュッ!」と液体を噴射する。と、同時に指に痛みが走り、見ると茶色く変色してヤケドしたような状態になってしまう。
これはミイデラゴミムシの最大の武器である毒ガス。過酸化水素とヒドロキノンという物質を混合し100度以上の熱いガスを放つのだ。とはいえ、人間には一瞬の熱さと痛み、あとは薬品のような、化学物質のような独特のにおいがするだけですむ。だけど、彼らの天敵であるカエルなどにとって熱攻撃のダメージは致命傷だ。
人間も指であれば平気だが、目などの粘膜に受けると危険だ。夢中になって顔を近づけすぎないようにしなければならない。

※写真は本には掲載されていません。
〈DATE〉
季節:秋
場所:山
きっかけ:マムシを探していたら偶然出会った
危険度:★★★
レア度:★★★

今回紹介したエピソードをはじめ、破天荒な体験から知識につながるまでの過程が詰まった『冒険が知識に変わる ホモサピのいきもの調査報告書』、ぜひチェックしてみてください!
【著者プロフィール】

生き物をとったり食べたりしている生き物系YouTuber。著書に『地球は食べ物 いきもの獲って食べてみた日記』がある。
YouTube @ホモサピ