
森の中は快適だった。この奇妙な環境はどうやってつくられているのだろうか? ふつうならこうもさまざまな気候が一つの島に存在するはずがない。木の生え方や岩の置かれ方、デザインされたような地形…もしかしたら、この島そのものが人の手によってつくられているのではないか。何か気候をあやつる装置があるとか――。
そんなことを考えながら君が前に進んでいると、何かふみそうになってよろけた。
たまごだ! 鳥のたまごかな?と思っていると、ふらふらと、人の腰の高さくらいの鳥が歩いてくる。君にはその鳥が何かすぐに分かった。ドードーだ。のんびりとした性格でほろんだ鳥類。たまごもてきとうに地面の上に産んでいる。マヌケだな~と思いながらもちょっと感動する。
「かわいいなぁ。鳥もたまごも」
ジェイクはにこにこしながらたまごをながめていたが――。
「…なんじゃこりゃ!!」
その声にびっくりして、君をはじめ、みんながジェイクの方をふりむいた。ジェイクの足元にあったのは巨大なたまごだった。30センチはありそうだ。ダチョウのたまごよりもだいぶ大きい。
「ダチョウよりも…」
君たちはハッとした。ダチョウのような外見でおそろしく大きく、アリゲーターをふみつぶしていた、あの巨大鳥。
近くでドシンという地響きがした。あの時もそうだった!
今ならこの音の正体が何か、君には分かるだろう。
「ジャイアントモア!!」
その巨大な体を食料とするため狩りつくされた、ニュージーランドの気高き恐鳥が今、君たちの目の前にいる。たまごを守るため凶暴になっているのか!
「にげろ!」
ジェイクがさけんだ。でもどうやって――!?