
「クマにそうぐうした時には死んだふりするといいんだっけ?」
アザラシたちもねころがっているし、目立たなくなるだろう。そう考えてみんなでアザラシの間に横たわって、死んだ…いや、ねむるアザラシのフリをした。
…目をとじて静かにしていたが、シェリーがボソリと言った。
「たしか、これやるとクマは逆に興味を持っちゃうんじゃなかったっけ?」
「…そうなの?」
君はうすく目を開けた。クマが近くまで来ている! しかも君のそばまで来て、君のバックパックにガブリとかみついた!
「わーーーーっ!」
君はガバッと起き上がった。クマはびっくりして口を開けて固まっている。そのすきに君はバックパックをうばい返し、みんなで一目散に森のほうへかけ出した。
運良くふりきったみたいだが…。