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分析・練習のやり方「マンガでわかる けテぶれ学習法」第4回 けテぶれで勉強スタート!①初級編-2


全国の小学校・中学校で大反響の「けテぶれ学習法」がマンガ化! 「けテぶれ学習法」とは、「計画→テスト→分析→練習」という自己改善のサイクルを回す勉強法。 誰だって「やらされる勉強」はつまらない。「自分で学ぶこと」とは本来、楽しいはずです。「楽しさ」の見つけ方がここにあります。

分析のやり方


分析とは、思考を文字にしてつかまえること。思いついたことをそのまま書けばよい。

まちがいの5分類。①問題の意味がわからなかった②ちゃんと読んでいなかった③解き方がわからなかった④わかっていたのにまちがえた⑤時間が足りなかった。

事実+気持ち+これからのことが入っている。

問題の意味がわからなかった。ちゃんと読んでいなかった。解き方がわからなかった。わかっていたのにまちがえた。時間が足りなかった。わからないものは、分けるとわかる。

サポーターの方へ
けテぶれの「分析」は、難しいとよく言われます。子どもたちは、なぜ間違えたかと聞かれても、うまく答えられません。大切なのは、「計画」のときと同じく、「思考を文字にしてつかまえる」こと。つまり、思いついたことをそのまま書けばいいのです。
これも難しそうに聞こえるのですが、けテぶれ的に考えてください。「できないこと=成長のタネ=宝物」です。成長のタネが育つと、「自分の心の声が聞こえる」ようになります。
「自分は何を考えているのか、どんな気持ちなのか、何に困っているのか」といったことが自分でわかるようになる、ということです。子どもたちの成長にとって非常に大切です。
「自立した学習者」になるために、自分のことがわかっているかは、大切なポイントです。心理学用語では「メタ認知」と呼びます。けテぶれの「分析」では、子どもたちの「メタ認知力」を高めようとしています。その入り口になるのが、「思いついたことをそのまま文字にする」という練習です。これを繰り返せば、自分の頭の中に意識を向けることに慣れてくるのです。
このとき、考えるだけでなく、文字にするのが大切です。頭の中は、常にいろいろな考えが飛び交っています。子どものうちは、なかなか一つの考えの上にもう一つの考えを積み上げることができません。いろいろな考えのうちの一つを「文字にしてつかまえる」ことで、「ああ今自分はこういうことを考えているな」と、客観的に自分の思考をとらえられます。すると、「こういうことに気をつければいいな」とか、「だからあのときは失敗したのか」とか、その思考の「上」に次の思考を重ねていくという、高度な思考ができるようになっていくのです。

 

練習のやり方



練習方法は1つではない。

自分で考えて自分で動くから楽しくなる。


サポーターの方へ
練習でねらうのが「勉強観」の更新です。その第一歩は、「やればいいだけの勉強からの脱却」です。学習内容も学習方法も決められた「やらされ勉強」をしている子どもたちにとって、「勉強する」という行為は、「決められたことを再生するだけの作業」として受け取られている場合がほとんどです。「自分の力を高めるために勉強する」という意識に変われば、学習への取り組み方も変わります。
「問題を解く」という行為は、「テスト」と「練習」の二つのタイミングにあります。「テスト」で問題を解く目的は、「自分の得意と苦手を調べるため」です。「練習」で問題を解く目的は、「自分の苦手を乗り越えるため」です。やればいいだけ、解けばいいだけの勉強から卒業するためには、自分は何のために問題を解いているのか、という目的意識を常に持たせてあげることが大切です。この「練習」のタイミングでは、問題を解き直すだけでなく、「テスト」との目的の違いを意識させてあげてください。
そして、次のステップは「自分の目的にあった方法の追求」です。山頂にたどり着くための道が無数にあるように、苦手を乗り越えるための「方法」もまた無限にあります。一見もし子どもたちが選択した学習の方法が効果的ではないように見えても、まずは認め、その選択を一緒に振り返ることで、次の一歩を一緒に考えてあげてください。自分にピッタリの学び方は、自分で一つ一つ確かめていく中でこそ見つかるものです。

 

けテぶれの基本のまとめ




サポーターの方へ
けテぶれの最小単位は、前のページで説明したものだけです。ここまでの内容に納得したら、ともかくやってみることをおすすめします。人は経験から学ぶのが一番です。やってみて、振り返ることで次の一歩をどうすべきかわかるのです。まさに「けテぶれ」の思考ですね。
サポーターの方は、けテぶれの目的、目標、手段の関係を常に意識しておいてください。けテぶれの目的は「自立した学習者になること」です。その目的を達成するために「テストで合格点を自分で獲得する」ことを目標にします。「けテぶれ」は目的を達成する手段にすぎません。目的地に向かう方法は無限にあります。一度やってみて、どうだったか振り返り、次の日に半歩進んでみる。この繰り返しによって「自分なりの学び方」の輪郭が見えてきます。
「けテぶれは手段だから“けテぶれをやること”を目的にしてはいけない…けれど子どもたちに任せていてもなかなか深まらず困っている」という声をいただくことがあります。確かに、「けテぶれ」は手段にすぎません。「自立した学習者になる」という遠い目的地に向かう第一歩として、「基本的な学び方である“けテぶれ”を正確に身につける」ことを目標にする場合もあります。けテぶれを使って、自立した学習者になるためには、まず、“学びの型(けテぶれ)”を身につける必要があるのです。
「けテぶれを“学びの型”としてとらえ、正確に再現できるようにサポートすること」と、「けテぶれを“自分なりの学び方を追求する行為”ととらえ、自由な発想を引き出すこと」。この2つの意識を両輪としてサポートしてあげることが、サポーターの方には求められます。目の前の子どもにどちらのアプローチが合っているかを、常に感じ取るようにしてください。
息継ぎの方法もわからないうちは、足のつく場所で手取り足取り少しずつ練習する必要があります。ある程度泳げるようなら、足のつかないところまで行くチャレンジも必要です。お子様の状態を見ながら、徐々に学びの海へと入っていきましょう!

 

《第5回》へつづく

 

1月14日(金)発売!
マンガでわかる けテぶれ学習法

自分なりのやり方を、 自分で見つけるから、勉強が好きになる!
「計画・テスト・分析・練習」、通称「けテぶれ」。このサイクルさえ習得すれば、「勉強が楽しく」「自分で学べる」ようになる。小・中学校で話題沸騰の勉強法が、マンガ×キャラの会話ですぐわかって一生使える!


著者 葛原 祥太 漫画 雛川 まつり

定価
1,650円(本体1,500円+税)
発売日
サイズ
A5判
ISBN
9784046046314

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