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【スペシャル連載】第4回 「『土地の記憶』を伝えていく」――東日本大震災をかんがえる本『世界はとつぜん変わってしまう?』


これまで「あたりまえ」だと思っていた毎日は、ある日とつぜんなくなってしまうかもしれない? それはたとえば、災害によってかもしれませんし、別の理由によってかもしれません。
十一年前にここ・日本で起こったとても大きな地震、東日本大震災を知ることで、あなたも「世界がとつぜん変わってしまう」かもしれないことについて、ちょっとかんがえてみませんか?

第1期は、小学5年生で東日本大震災を経験した雁部那由多さんに、当時の状況、その体験を様々な人に語る「語り部」活動、大学での研究活動について質問をした内容を一部抜粋の形で紹介します。
昨年、2021年は東日本大震災から10年の年でした。現地の様子について、さっそく話をきいてみましょう。


 

Q.震災後十年の年、現地の様子はどうでしたか?

A.テレビや新聞などは「次の10年」をどうやって暮らしていくか、どうやってたてなおしていくか、そういうことを考えていこうっていう報道が多かった。震災後十年たって、だいぶ復興してきたけれど、さらにこれからが大事。
 台湾では、170年前に起こった災害を、上級生が下級生に代々語り継いでいくという取り組みをしていると聞いたことがある。ぼくは日本でもそんなふうに、ぼく個人の記憶ではなく「今自分がいる場所でなにがあったのか」という「土地の記憶」を、君たち小学生がその下の代に伝えていくということをしてほしいな。

Q.東日本大震災から十年目の年は、語り部の依頼は多かったのですか?

A.十年目にかぎらず、3月11日は取材がしたい、語り部をしてほしいという依頼はものすごく多いよ。でも、毎年断っている。その日だけは一人で過ごしたい。一人で手を合わせ、静かに過ごしている。ぼくだって、あの日体験したことについては自分の中でたしかな答えが出ているわけではなく、手探りで、自分に向き合いながら、研究と活動をしている。そんなぼくにとって、3月11日に一人で過ごすのは自分のために必要な時間なんだ。

この回答をしてくれたのは…

雁部那由多さん
2022年2月現在、東北学院大学の3年生。東日本大震災がきたときは、小学校5年生でした。
宮城県の沿岸部に住んでいた雁部さんは、地震が起こった当日、津波を経験しています。
震災直後はだれにも話せなかった震災当日の話を、現在は様々な人に語る『語り部』として活動しています。


明日から2期がスタート! チャイルドラインみやぎ代表理事・小林純子さんから伺った話を抜粋掲載します。

本の中ではさらにくわしく

雁部さんが経験した東日本大震災とはどんな災害だったのか、その後行っている「語り部」の活動とはどういうものなのか、くわしくは『世界はとつぜん変わってしまう?』第一章で取り上げています。
 


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