子どもの権利条約の四つの原則とは?
子どもの権利条約には、すべての条文にかかわる大事な原則があります。
子どもの権利条約は、世界中の子どもが健康で幸せに生きていくために持っている権利と、その権利を守るために国と自治体、親、施設の人、先生などの大人がやらなければならないことを定めています。
条約は前文と本編54条で成り立っていて、子どもに保障する具体的な権利は第1〜41条で定められています。これらすべての条文のなかで、とくに大切な「原則」があります。それが次の四つです。
❶ 差別が禁止されていること(第2条)
子どもは、どんな理由があっても差別されることなく、
条約が決めたすべての権利が保障される。
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❷ 子どもにとってもっとも良いこと(第3条)
国や大人が子どもにかかわることをするときは、
「何がもっとも子どもにとって良いか」を最優先に考える。
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❸ 命を守られ成長できること(第6条)
すべての子どもの命が大切に守られ、生まれ持った能力を
十分に伸ばして成長できるように、医療や教育、
生活の支援などを受けることが保障される。
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❹ 意見を表明し参加できること(第12条)
子どもは自分にかかわることについて、自由に意見を表すことができる。
大人は、その意見を子どもの発達におうじてよく考えなくてはいけない。
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四つの原則は、それぞれが条文に盛り込まれた権利となっています。しかし、これらは条約に書かれているそのほかすべての権利を考えるときにも、一緒に考えなければならないとても大事な原則です。
たとえば、第24条には「健康・医療への権利」がありますが、この権利を守るときに、「女の子は差別されていないか?」「それは子どもにとってもっとも良いことか?」……と、四つの原則に照らし合わせて考えることが重要なのです。
次回、第3回では 「子どもの権利」を知ろう をお届けします。(4月11日公開予定)
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