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小菅正夫先生に聞いた「どうして札幌市街地にクマが出てきたの?」


昨日6月18日、札幌市東区でクマの目撃情報が相次ぎました。北海道にいるクマということはエゾヒグマで、日本では最大の哺乳類です。


『角川の集める図鑑GET! 動物』P.107より。生息地域別なので調べやすい。


どうしてこんな市街地にクマが出てきてしまったのか。札幌と言えば、『角川の集める図鑑GET! 動物』を監修してもらった小菅先生がいるじゃないか! ということで、聞いてみました。

 

 

どうしてこんな市街地に出てきてしまったの?

この場所はもともとのエゾヒグマの生息地には隣接していません。おそらく、天塩山系の南端から、追い出されて、放浪しているうちに、石狩川沿いに移動してきたのだと思います。数日前に茨戸という石狩市と札幌市の隣接地でクマが目撃されていたので、同一個体か、もしくは同じ方向から迷い出てきたものと思われます。(小菅正夫)

もしクマに出会ってしまったらどうすればいいの?

ヒグマの活動は朝方と夕方〜夜間なので、まずはその時間帯に出歩かないこと。車でドアTOドアならOK。闘っても絶対に勝てないので、出会わないのが1番です。もし出会ってしまったら、どこでも良いから家に逃げ込むか、車に乗せてもらうしかありません。この状態のヒグマは、パニックに陥っているので危険です。 どうしようもなければ、棒でも何でも持って、大声を出して闘うしかない。逃げても助かる可能性は低いでです!(小菅正夫)

 

 

小菅先生、ありがとうございました! 200万都市のすぐ近くにヒグマが生息できるような自然環境が残っているというのは、世界でも稀な例になります。ヒグマだけでなく、ヒトと野生動物が安全に共生できる未来を考え続けなければならない、と改めて感じたニュースでした。



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