角川つばさ文庫小説賞《金賞》受賞作の意欲作★
『ともだち弁護士リッカ 転校生は正義のミカタ!?』が、もうすぐ発売!
発売前にドドンと【ためし読み】しちゃおう!
わたし、六法律花の夢はカッコイイ弁護士になることっ! 1年生にまちがえられちゃう「おちび」な6年生だけど、ナカミには法律とあきらめないココロがつまってる。転校した学校でおこる事件だって、絶対見のがさない! 「呪いの手紙事件」に、「宿題の神様事件」。犯人だと疑われてる子たち、ホントにそうなのか!? モヤモヤしているのにだまっているのは、もうイヤなんだ。真相をあきらかにするため、やろうよ、「おたすけ裁判」! もちろんわたしが、こまってる子の弁護士になるから――!
『ともだち弁護士リッカ 転校生は正義のミカタ!?』
(夢乃ひいろ・作 霧海ななせ・絵)
4月8日発売予定!
【5】 いきなり!? 呪いの手紙事件
「リッカちゃん。さがしてたノート見つかったよ!」
転校四日目の朝。
下足室にある落とし物ボックスで、さくらが行方不明だった小さいノートを発見した。
「よかったな、さくら! だれかがとどけてくれたんだな」
今日も、いい日になりそう♪
そう思いながら、六年一組の教室のドアをあけたとたん─。
ぶわっ
花の匂いがした。
「……え?」
教室の床が一面、桜の花びらでうめつくされている。
そして、黒板いっぱいに大きく書かれた文字。
エンソクヤメロ
ドキンとはねる心臓。
さくらと顔を見合わせる。
これ、ただのイタズラじゃない……よね?
自分の席に行って机の引き出しに手をやると、四角にたたまれた折り紙がでてきた。
ひらくと、緑のペンで書かれた文字。
エンソク中止 サモナイト ノロウ
黒板と同じ筆跡だ。
「な、なんだ、これ……」
いつのまにか、美咲と恵麻と雪子にかこまれていた。
「リッカちゃんにもとどいたんだね、呪いの手紙。ウチらにも来てた。男子たちにも……」
みんなの不安げな顔を見ていたら、むくむくと怒りがわいてきた。
楽しい新学期と遠足を、だいなしにするようなこと、するな─ッ!
「よく聞け、手紙の差出人ッ! 人を手紙でおどすのは刑法第二百二十二条により脅迫罪! 法律違反でアウトだ─ッ!」
はっ!
つい大声でさけんで、ポーズまで決めてしまった!
ガラッ
教室のとびらがあき、宮部先生が入ってきた。
「な……なんですか、これは!?」
おどろいて立ちつくす宮部先生に、美咲が事のてんまつを話す。
「わかりました。まずはみなさん落ち着いて、掃除しましょう。遠足は中止にはしません」
先生がそう言って、みんなで掃除がはじまった。
その日の二十分休み。
美咲と恵麻に手招きされ、教室のすみに連れていかれた。
「リッカちゃん、呪いの手紙の犯人わかったんだ。黒板の落書きも、あたしの手紙をやぶって捨てたのも、ぜんぶ同一犯。晴海(はるみ)さくらだよ」
ええっ、さくら……?
「まず証拠その1、ウチら、クラス全員に聞きこみ調査したの。晴海さんに『美咲の手紙やぶった?』って聞いたら、なにも言わなかった。証拠その2、脅迫文の文字は緑色。晴海さんのランドセルと同じ色。証拠その3、桜の花びら。これが決定的。このあいだ晴海さんが校門で集めてたの、リッカちゃんも見たでしょ?」
恵麻が腰に手をあてて、推理をひろうする。
「本人が『自分がやりました』と言う自白でもなければ、そういうのは証拠にならないぞ。それに、さくらはそんなこと……」
「じゃあ、今ここで、さくらが自白するか、たしかめてみようよ」
わたしがとめる間もなく、美咲はさくらの机の前に勢いよく歩いていって、仁王立ちになった。
「ねえ。呪いの手紙の犯人、晴海さんなんでしょ? おととい、花びら集めてたの、あたし見たし!」
バン! と、美咲がさくらの机をたたいた。
つみかさなっていた図鑑や教科書がくずれていく。
「あぶない!」
両手をのばしたけど、まにあわない。
虫かごが落ち、衝撃でふたがあく。
木の枝とさなぎがバラバラになり、転がっていく。
「ダメ! ふまないでっ」
みんなから守るように、さくらはさなぎの上におおいかぶさった。
「……ほらね、やっぱり犯人、晴海さんじゃん」
美咲の手に、さくらの大切な小さなノートがあった。
「見てよ、この字。手紙と黒板と、筆跡同じ」
さくらは口をひらきかけて、すぐにとじた。
ノートにならんだ少しくせのある字。たしかに呪いの手紙の筆跡と似ている。
「……っ」
さくらは虫かごと木の枝を拾って、教室からかけだした。
『ともだち弁護士リッカ 転校生は正義のミカタ!?』
ためし読み
第6回につづく
書籍情報
- 【定価】
- 858円(本体780円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 新書判
- 【ISBN】
- 9784046323897
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